rage30

コンパートメントNo.6のrage30のネタバレレビュー・内容・結末

コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

北極圏にあるムルマンスク行きの寝台列車に乗る女性の話。

主人公であるフィンランド人女性ラウラは、ロシア人男性リョーハと同じ客室に乗り合わせます。

このリョーハという男が粗野な上に酔っ払っていて、シンプルに怖いんですよね。
そんな男と女性が密室で2人っきりになるのは恐怖でしかないし、列車の中に逃げ場はないしで、前半はほとんどホラー映画を見ているかの様でした。

中盤からは2人の間に会話が生まれ出し、次第にリョーハが悪人ではない事、彼の中にある弱さも明らかになっていきます。
途中で加わる、ヒッピー風のフィンランド人男性が泥棒をする事からも、人は見た目で判断出来ないという事を言いたいのでしょう。

ただ、当初は性暴力の危険まで感じた男と、キスをする程に親密な関係になるのかな?と引っ掛かるものがありました。
見知らぬ男性に対して、女性側が感じるであろう不安や恐怖をあまりにも低く見積もっている気がするし、女性への侮辱的な言動が男の幼稚さ=ピュアさによって帳消しにされるのも、女性に対して母親的な役割を押し付けてる様にも受け取れます。

せめて、監督が女性なら納得したのですが、男性という事で、やっぱりどこか男にとって都合の良い話になっていたんじゃないかなと。
2人の関係を異性ではなく、同性同士にしたら、もっとシンプルな友情の物語として見れた気もするんですけどね。
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