結婚の経緯がそもそもの始まりなのだけど
船長である夫ヤコブが航海している4ヶ月もの留守の間
妻リジーはどんな事をしているのだろう？
嫉妬と疑惑が募る夫。
しかし 後に 彼女は彼を愛していたのだと分かる。
愛している夫と過ごした日々は
幾日であったのだろう？
彼女は「痕跡」を残したかったのかも。
「わたしを忘れないでほしい」と。
だから 時に官能的に 時に憎らしいほどの嫌な女になり
彼に 強烈にインプットさせた。
しかし 誠実な人柄である夫を ひどく振り回してしまった。
もう この辺で···と
彼女はあんな去り方をしたのかも。
彼女の意図が分からないままストーリーが流れていくのだけれど
ラストになって ストン！と今までの流れのすべてが 「女心」であった事に気付かされる。
リジーが警察にお世話になった時のくだりから
何かがあったのだな···とは分かるのだけど
それが明確にされないまま
魅惑的なリジーに 私たちまで翻弄されてしまっており
いつしか あの疑問は霞んでしまっている。
やや助長に感じさせるのも その為の演出であったのならばと考えれば
唸るものだし
何よりリジーの約がレア・セドゥという事だけで
この物語の作戦は 功を奏していると思う。
現に 劇場は中年以降のおじさま達が7割だった。
「ラブストーリー」にしては 男女の比率が逆転してない？
彼女の一糸まとわぬ後ろ姿が 艶めかしかった。
あの挑戦的でもあり魅惑的な魔性の表情は 彼女の武器だと思う。
その裏に隠された「女心」を おじさま達は感じてくれたのだろうか？
