ブルース・リーの死後に公開された遺作。
「燃えよドラゴン」完成後、すでにブルース・リーは死んでいました。そのため、この映画ほぼ8割くらいを別の役者が演じています。そしてこのスタント(ボディダブル)のクオリティが、いま見ると失笑するレベルであり、そのことが作品の低評価につながっていると思われます。
ただ当時は、すでに死んでいる役者の「主演作」が公開されること自体がスキャンダラスで、大きな話題を呼びました。しかもタイトルは「死亡遊戯」。ストーリーもブルース・リーの死そのものを題材にしたようなショッキングな内容。
監督・脚本は「燃えよドラゴン」と同じくロバート・クローズ。プロット自体はよく考えられており、スタント役者など技術的な部分に目をつぶれば、「燃えよドラゴン」についで、映画らしい映画だといえるでしょう。
物語は、ビリー・ローという香港のアクション俳優が、芸能事務所と揉めている場面から始まります。事務所から独立しようとするローは、さんざんないやがらせを受けます。
主人公の設定はブルース・リー本人を思わせるもので、実在する映画「ドラゴンへの道」や「ドラゴン怒りの鉄拳」の舞台裏で話は進行します。そして、ついに彼は「ドラゴン怒りの鉄拳」のラストシーンで顔面を撃たれてしまいます...。
映画のクライマックスは、有名な五重の塔の場面。ここは生前に撮影を済ませていた部分で、映画史に残る出色のアクションシーンです。ハッキリ言って、重要な部分はここだけです(笑)。まぁ映画マニア以外は、ここだけYoutubeで見てもらえればそれでいいかもしれません。