松原慶太

ブルース・リー/死亡遊戯の松原慶太のレビュー・感想・評価

ブルース・リー/死亡遊戯(1978年製作の映画)
3.5
ブルース・リーの死後に公開された遺作。

「燃えよドラゴン」完成後、すでにブルース・リーは死んでいました。そのため、この映画ほぼ8割くらいを別の役者が演じています。そしてこのスタント(ボディダブル)のクオリティが、いま見ると失笑するレベルであり、そのことが作品の低評価につながっていると思われます。

ただ当時は、すでに死んでいる役者の「主演作」が公開されること自体がスキャンダラスで、大きな話題を呼びました。しかもタイトルは「死亡遊戯」。ストーリーもブルース・リーの死そのものを題材にしたようなショッキングな内容。

監督・脚本は「燃えよドラゴン」と同じくロバート・クローズ。プロット自体はよく考えられており、スタント役者など技術的な部分に目をつぶれば、「燃えよドラゴン」についで、映画らしい映画だといえるでしょう。

物語は、ビリー・ローという香港のアクション俳優が、芸能事務所と揉めている場面から始まります。事務所から独立しようとするローは、さんざんないやがらせを受けます。

主人公の設定はブルース・リー本人を思わせるもので、実在する映画「ドラゴンへの道」や「ドラゴン怒りの鉄拳」の舞台裏で話は進行します。そして、ついに彼は「ドラゴン怒りの鉄拳」のラストシーンで顔面を撃たれてしまいます...。

映画のクライマックスは、有名な五重の塔の場面。ここは生前に撮影を済ませていた部分で、映画史に残る出色のアクションシーンです。ハッキリ言って、重要な部分はここだけです(笑)。まぁ映画マニア以外は、ここだけYoutubeで見てもらえればそれでいいかもしれません。
松原慶太

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