◆あらすじ◆
1934年の冬、満州国のハルビンに潜入した4人の共産党工作員は日本施設から脱走した男性を国外に逃亡させる任務「ウートラ計画」を負っていた。しかし、その任務は仲間の裏切りにより特務警察に察知されており、4人は危機に陥りながら任務の遂行を図ろうとする。
◆感想◆
日本により支配された満州国を舞台に、中国共産党工作員たちの決死の戦いを描いた作品となっており、敵となる特務警察の非情な追跡と誰が味方か分からない緊迫感に満ちた展開が楽しめるものになっていました。
満州国に潜入した4人の工作員のチームはリーダーの張(チャン)とその妻の王(ワン)、楚(チュー)とその恋人の小蘭(シャオラン)で構成されており、最初のうちは顔と名前が一致しませんでしたが、観ているうちにそれぞれの人柄が分かるようになりました。
また、本作の公式サイトに登場人物の相関図が載っていて、非常に分かりやすいので、観終わって理解しにくかった部分がよく分かるようになっていて良かったです(本作を観る前にこの相関図を見るとネタバレになってしまうので観終わってから見ることをお勧めします)。
本作は4人の工作員と特務警察の攻防戦が見どころとなっていて、4人の工作員は仲間の裏切りにより危機に陥る一方、特務警察の中にも裏切り者がいて工作員たちを支援しており、特務警察内部で裏切り者捜しで一枚岩になれておらず、組織としてのもろさがあって、それが工作員たちを助けていたように思います。
ストーリー途中で工作員の1人が特務警察に捕まり、拷問を受けることになり、状況が一気に不利になっていきます。それでも4人の工作員たちがそれぞれ任務を果たすべく行動しており、その必死が伝わってきました。
本作では工作員たちは多少強いものの普通の人間であるため、超人的な格闘アクションなどは無く、特務警察から逃げる姿が多いのでアクションを期待すると拍子抜けすると思いますが、1934年当時のクラシックな車でのカーチェイスがあって雪に染まる街中でのデッドヒートは見ごたえがありました。
緊迫感のあるストーリーは見ごたえがあるとともに映像として1934年当時の街並みを現在のクオリティで描いていて雪景色に染まる街並みに美しさを感じました。なかなか面白かったと思います。
鑑賞日:2025年4月29日
鑑賞方法:CS ムービープラス
(録画日:2024年6月1日)