wisteria

スパークス・ブラザーズのwisteriaのレビュー・感想・評価

スパークス・ブラザーズ(2021年製作の映画)
4.5
レオス・カラックス監督『アネット』の原案・楽曲提供で近年話題にもなったスパークスの音楽ドキュメンタリー。正直このバンドについては私はほとんど何も知らなかったのだけど大好きなエドガー・ライト監督作品ということで岡山シネマクレールにて鑑賞。

この手の作品にしては135分とかなりの長尺で私のようなスパークス入門者にも比較的わかりやすく活動の全貌を時系列に沿って丁寧に見せてくれる。約50年にもおよぶキャリアで幾度かの浮き沈みを経つつも粘り強く無二の個性的な作品を発表し続けている。ベックやビョークのような有名アーティストの賛辞などを入れつつ、ロック、パンク、テクノ、ダンスミュージックなどなど同時代的なポップ音楽史との関わりを総観できるのも感慨深い。また映画好きとしては、不発に終わったというジャック・タチやティム・バートンとの交流に想いを馳せるのも楽しい。そんな企画があったんですね〜

そして作品を見終わった今でもスパークスってどんなバンド?か俄に説明しがたいミステリアスなところも魅力の一つ。金持ちの道楽というわけでもない中産階級出身兄弟デュオで誰もが知る大ヒット曲に恵まれたわけでもなくクリエイティブな姿勢を長きに渡り保ち続ける生き様はとっても格好良い!エドガー・ライト監督の心からのリスペクトと愛が感じられる素敵な音楽ドキュメンタリーでした。

♯Spotifyで"Kimono My House"を聴きながら♫
wisteria

wisteria