CGデザイナーだった粟津順が、自分の作品を作るため作成したフルCG作品。
脚本・監督を氏が務め、また、映像の大部分も氏が作成しているそうで、30分弱の短編となっています。
個人が旗振りをして作り上げた作品にしては十分凄い作品だと思います。
当然、CGらしさはあるものの、CGは精巧で、鑑賞する上で、また物語を展開する上で妨げとならないレベルです。
私はCG酔いしやすいタイプなのですが、本作でCG酔いは無かったです。
さわりである宇宙怪獣とロボット兵器の戦闘シーンは特にCGの良さが出ていて、迫力のある内容に仕上がっていました。
地雷を踏む覚悟で視聴しましたが、普通に良作だったため、逆に驚いたくらいです。
舞台は昭和100年の未来と設定されています。
未来ですが、昭和の雰囲気がそのままになっているという設定で、過去の怪獣映画のフォーマットを残すためそのようにしているとの事。
主人公は現場から退いたロボット工学の権威で、彼は過去、ロボット設計段階での事故で愛娘を失ったことより、隠居をしています。
そんな折、テラフォーミング中の火星から宇宙怪獣が地球に攻めてくる。
軍師司令から彼に協力の要請があるが、というストーリーです。
ロボットのデザインは良い感じです。
ちょっとパシフィック・リムっぽい?メカメカしくてかっこいいと思います。
ただ、怪獣デザインは微妙で、平成ガメラにでも出てきそうな、平成なデザインになっています。
メガドンなんていう名称をつけるくらいだから三白眼で四足とか、あるいはノーバみたいな火星らしいタコのようなフォルムとか、そういう野暮ったさのようなもの欲しかったと思いました。
あと、雰囲気を出すためなのでしょうけど、娘の手紙の"お父さんへ"の文字が、雨宮慶太みたいな文字になっているのがちょっと笑いました。
内容は魔戒語で書かれた指令書になっていそうです。
不満点はありますが、全体的には良かった。
敵の攻撃をドリルで跳ね除けるのもかっこよかったです。
ジャケットも昭和で良い感じです。
ネガドンのデザインだけ良ければなー。