こころとからだ

真夜中の管理人のこころとからだのレビュー・感想・評価

真夜中の管理人(2021年製作の映画)
2.6
「怖い」というか「汚い」。汚いから怖いのかもしれない、そんなことをふと冷静に考えてしまうほど、目が離せなくなるような怖さと面白さはなかった。

生物として、生きるために不衛生なものや感染症を避けるといった自己防衛能力が人間には備わっていると思うが、そういった本能的反応を作品ではうまく利用したかったのかもしれない。

ただ、本来のホラーと不衛生な忌みは異なるはず。もっと清潔感のある怖さがほしい。

構成もオムニバス形式で進んでいくが、間を持たせるだけの力がないからショートに逃げている感じ。一本のストーリーをしっかり描き切って欲しかった。

結局、幽霊の怖さって何だろう。物理的に攻撃してくるのはゾンビやクリーチャーであり、呪い殺したりできるほど知力や状況の判断力があるわけでもない。ただ、座敷わらしのごとく、突然出てきて脅かすしかないのか。

それだけだとすぐ慣れてしまうので、見た目のインパクトをプラスしていくしかない。ホラー作品の行き詰まりを感じてしまうほど、展開のない作品だった。

不動産会社の社長が持ってたダッチワイフなのか、ただのお飾りなのか分からないドールの顔がシンプルに可愛くない時点で、スタッフが怖がらせる気満々すぎて冷めた。

全体的に怖がらせてやるぞという、大人たちの意図が見え透きすぎて、スベってる。遊園地のベタなお化け屋敷でキャーキャー言って楽しめる人には、この作品は合うかもしれない。