竜平

リバー・ランズ・スルー・イットの竜平のレビュー・感想・評価

3.8
モンタナ州ミズーラを舞台に、牧師で釣り好きの父を持つ二人兄弟の人生の物語を描く。俳優ロバート・レッドフォード監督作品。

少年期から青年期にかけての成長を軸に、恋や就職、大人になるにつれての心境の変化などが描かれる。育っていく者目線での「故郷」や「家族」の存在がなんとも印象的。個人的には、地元に久しぶりに帰ったときの感覚、時間の流れが違うというかなんというか、置いてかれてるような感じになるのを思い出してなんかちょっぴりエモーショナルな気持ちになったり。そこに掛かってくるのが兄弟間の話。仲がわるいとかでは決してなく、性格や嗜好の違いとか、ちょっとした劣等感とか、ここらへんも現実味があってなんとも引き込まれる。弟ポールを演じる若きブラッド・ピット、その容姿やら何やらの存在感がこの頃からすんごい、完全に主役の兄をくっちゃってる。あとは釣りしてるときの風景ってかロケーションがバツグンに良いなと。フライフィッシング、これかっこいい。

映画的な流れとして、序盤からある「信仰」や「釣り」といったキーワードの使い方だったり、物事の対比のさせ方だったり繋げ方だったり、ストーリーと展開に若干「形式」っぽさを感じてしまうのは俺だけなんだろうか。その仕組みに気づく人は気づく、的な。てかヒューマンドラマにもいくつかプロットってあったりするよねーなんて。今作の結末然り。内容が難しいとかではなく、なんとなく、これまで映画たくさん見てきたぜってな人に試してみてほしい一本。あとやっぱり信仰のこととかを絡めてくるあたり、そもそも母国の人向けの映画なのかもしれない。心地よい余韻は残るものの、本当の意味でグッとくるのは難しいのかも。どうでもいいけど途中で出てくるニールってやつのクソ加減が忘れられない。いやホント笑えるほどに腹立つ。
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