不安定な日常を咎められたことにより恋人と喧嘩別れした娼婦が、旧友であるドラァグ・クイーンとの再会を果たす。"性のアウトサイダー"による精神的開放を描いている、トラッシュ系ヒューマン・コメディ。
コール・ガールとドラァグ・クイーンの両視点から"脱出不能状態"を物語っていく、アンディ・ミリガン監督(オープンリー・ゲイ)の定番メニュー。マンハッタンでのゲリラ撮影が効果的に使用されており、本番ありのセックス描写が収められている。
身体が資本になっているヒロイン(娼婦)が、真の愛情を欲するあまり、ヤリマンと表裏一体の状況に置かれてしまう。一方、相談役を買ったドラァグ・クイーンは、ヒロインにアドバイスを与えると同時に、自分自身に苦しみをもたらしてしまう。
日活ロマンポルノと大同小異の内容だが、ドラァグ・クイーンの心理描写に、監督の作家性が迸っている。娼婦の相手となる人物では、鞭打ちを嗜好するサド男がインパクト抜群であり、彼もまた心の奥底で"寂寥感を抱えている"と推察できる。