柊

モガディシュ 脱出までの14日間の柊のレビュー・感想・評価

4.1
実話がベースとは言え恐ろしさは私の想像を超えていた。
丸腰の子どもを含む外交官をこれほど無差別に攻撃するとは…

反乱軍とか政府軍とかもうどっちもどっちだし。イタリア大使館が南へ転向したという事実を口約束だけで判断してくれて、そこには多分に人道的検知があったと思われるが、唯一の救いだった。
でも時間までにイタリア大使館にたどり着けるかは責任は持たない。自力であの無法地帯を突破するしか無い。
まさに一か八かの決死行。

車の補強が何か韓国人ぽい。普通思いつかない。そしてあれだけ撃たれまくっても死者は1人だった事が奇跡としか思えない。
結果オーライなんだけど、死ぬ人が少なくてよかった。

でも往来に溢れる無残な死体の数々。そんな状態でもアラーの神にお祈りを捧げる。イスラム教相変わらず理解できない。
その祈りの時間を使って大使館への道をひた走る4台の車。とにかく速く速くと祈るようにスクリーンを見つめた。

最後に見せる、北と南の大きな境界線。人と人なら分かり合えるのに…

そしてこの作品の1番恐ろしい描写は多分誰もが思ったであろう年端も行かない少年たちが嬉々としてライフルをぶっ放すシーン。何のためらいも何の意味もなくただただ銃を乱射する。
自分が何を相手にしているのかも理解していないままに…
国としても人としてもソマリアはどうやって再生していくのか?
こういう内乱にて虐殺が起こった場合、そこから国を再生させる為には、とにかく内乱時の行為を全てチャラにしてリセットするしか無いと実際の紛争解決請負人から聞いた事もある。

現在のソマリアってどうなっているんだろう?
ソマリアが舞台の作品っていつもやりきれないものが多い。「ブラックホークタウン」然り。
柊