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異動辞令は音楽隊!のFujiNoriのレビュー・感想・評価

異動辞令は音楽隊!(2022年製作の映画)
3.6
試写会にて鑑賞。ミッドナイトスワンの内田英治監督、主演は阿部寛さんと楽しみな組み合わせでこれは楽しみ!

ただ内田監督が舞台挨拶でもおっしゃっていましたが、映画のコミカルを彷彿させるタイトルとは打って変わって、内容は割とシリアスな部分もあり、その点は意外でした。(いい意味で)

物語は、刑事畑一筋30年の刑事が周りの人間とうまくいかず、左遷同様で音楽隊に異動となるが、その異動先で改めて、仲間とのセッションの大切さを実感していき、刑事時代に残した未解決事件に向き合う姿が描かれます。

とにかく、阿部寛さんのドラムが似合いすぎすぎです。舞台挨拶でもおっしゃっていましたが、練習相当されたみたいですね。かっこいい!また同僚の清野菜名さんのトランペット、 高杉真宙さんのサックスも素敵でした。

一つ事件アポ電強盗のという未解決事件を軸に、認知症となった母親との関係性、親子の微妙な関係、そして三十年刑事をやった行き先が音楽隊という人生の虚しさなど、冒頭でも書きましたが、割とシリアスな内容です。この辺りは前作でもそうでしたが、多様的な人間模様をストレートに表現する監督の手腕によるものでしょうか。

最後に、この作品は、米ニューヨーク・アジアン映画祭で22日(現地時間)「スター・アジア賞」を受賞されたようですが、その感想で阿部さんがおっしゃっていた「ニューヨークは誰もマスクをしていない。早く日本にもそういう日が来ることを願う」という言葉が大変印象的でした。
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