ぴよさん

戦場のピアニストのぴよさんのレビュー・感想・評価

戦場のピアニスト(2002年製作の映画)
-
'Look on bright side'
名作と謳われているだけあって完成度凄まじい ラストは本人かと思ってしまった

ユダヤの民がそもそもなぜここまでの迫害を受けるに至ったか、それはモーゼの十戒まで遡るようだ わたしは本当に一目みただけではポーランド人かドイツ人かはたまたユダヤの出か分からないのだけれど、当時の欧州の人達は瞬時にそれが分かるものだったのだろうか 証明書を出せない、言葉に訛りがある、家がない、特徴のある名前、みたいなそういった要因であれば判断がつくのは容易だと思うのだけれど、判断材料としてそこまで強くないはずなのに簡単に殺せてしまう魔力を持っている 名前も知らないゲシュタポの高官(と思ったらモノローグで名前が出た)や、シンドラーのリストのような優しい、というか人間らしい側面を持った人ももちろんいる反面、右に倣えで嬲り殺しているゲシュタポは多くいた気がした

ユダヤのなかでも警察の組織があって、すこし位の高いところの存在であったことは初めて知った ホロコーストに送られる噂が流れることも、きっと帰って来れる人なんているはずないのになぜそれが口伝で浸透していたのか、とか、気になったところがたくさんあった
教科書を当時読んでいたときより、やはりこういった映画というフォーマットで史実を学べることは大きいと思う その中での演出や発言、出来事が実際に起こったかどうか、一回り大きく描かれていないか、だとかはファクトチェックではないけれど己できちんと正しい知識を学ぶ、という作業が必要になってはくるのだけれど
映画だし仰々しい演出は勿論あるだろうし、その監督の私情が込められていることだってままある ただいきなり細かいところにフォーカスするのではなく、まずはマクロな視点で大枠を捉え、本棚の本を並べ直すように背表紙を確認していけば良いと思う

シュピルマンはなぜ上へ上へと逃げるのだろう なにかに起因していそうではあるけれど、、見ていてずっと不安だった 体力がないとそれだけで命の危険に晒されてしまうところも辛かった 道路を渡らせる際に余興としてユダヤ人を踊らせるゲシュタポだけれど、敗戦後にドイツの少年兵たちが地雷撤去を手伝わされたり、禍根が深く根付いているのをみると一概に国の出で善悪を決めることなんて出来ない

キリストとユダヤの関わりを描いた映画もあるみたい 十戒と併せて鑑賞しようかな
ぴよさん

ぴよさん