◆あらすじ◆
1930年代のポーランドでユダヤ人のウワディスワフ・シュピルマンはピアニストとして活躍していたが、1939年9月にナチス・ドイツが侵略を開始したことで、町はドイツ軍に支配され、ユダヤ人に対する迫害が始まる。シュピルマンは家族と離れ離れになり、過酷な強制労働に耐え続けるも限界を感じ、ゲットー(隔離地域)からの脱出を図るのだが...。
◆感想◆
実在のユダヤ人ピアニスト、ウワディスワフ・シュピルマンがドイツのポーランド侵攻から終戦により解放されるまでの過酷な半生を描いた作品であり、ナチス・ドイツによるユダヤ人迫害の様子が凄まじく、ユダヤ人の命を弄ぶナチス・ドイツの非情さが強く心に残りました。
シュピルマン(エイドリアン・ブロディ)は温厚な若者であり、ピアニストとして活躍していましたが、ナチス・ドイツのポーランド侵攻によって人生が一変します。シュピルマンの一家は弟のヘンリクが短気だが、基本的に温和で従順な人たちであり、ナチス・ドイツによるユダヤ人迫害を受ける姿は理不尽としか言いようがなかった。
本作は特にユダヤ人迫害のシーンが多く描かれており、ランダムに選ばれたユダヤ人をいともたやすく銃殺していくナチス・ドイツ兵の姿はあまりにも軽々しく行われていて、最初は何が起こったのか理解できませんでした。
シュピルマンは他のユダヤ人やポーランドの反ナチスの人々の協力によって生き延びていくのですが、常に命を奪われる恐怖の中で生き続けたシュピルマンの精神的な衰弱は目に見えて明らかで、外見も最初の綺麗で紳士的な風貌が原始人のような風貌へと変わり果てていて、辛さが映像から伝わってきました。
ナチスに迫害されたユダヤ人の姿の一つ一つが心に突き刺さり、その重い雰囲気に飲まれながらも、シュピルマンの生への執着心が常にあったため、彼の顛末を知りたいという気持ちにかられて最後まで観ることができました。人種差別の卑劣さを改めて認識できた作品として観て良かったと思います。
鑑賞日:2025年3月13日
鑑賞方法:CS WOWOWプラス
(録画日:2024年3月23日)