KOKO

戦場のピアニストのKOKOのレビュー・感想・評価

戦場のピアニスト(2002年製作の映画)
4.5
侵攻が、抑圧が、虐殺が、
どのように日常を侵略してゆくか。
非現実はどこから現実になるのか。


見知らぬ死体が道端に転がっていたら。
向かいのアパートの住人が殺されたら。
自分の住まいが襲撃されたら。
家族が連行されたら。
隣に居た人がたまたま見せしめに選ばれたら。


戦争が現実になることなんてあるのだろうか。自分が生きている限り、自分だけは死なないと、どこかで思っていないと、とてもじゃないけど正気を保っていられない。


それでは、スクリーンを挟んだ「向こう側」で起きていることに対して流れるこの涙になんの意味があるのだろうか。



今日、地球の反対側で、ただ橋を渡っていた人が殺されました。
私は、その近くに滞在してた友人が無事で、ああ良かった、と思いました。そう思ったんです。
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