タキ

007/サンダーボール作戦のタキのネタバレレビュー・内容・結末

007/サンダーボール作戦(1965年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

007シリーズ4作目は再び1作目と2作目を監督したテレンスヤングの登板。
ガンバレルからのプレタイトルアクション、そしてオープニングの形式。プレタイトルアクションはフランスにてスペクターNo.6ブヴァール大佐の葬式。未亡人が実は変装している大佐だったのをボンドが見抜いて格闘の上、殺し逃げる手段がジェットパックandアストンマーチンのマフラーからの水噴射というもの。アクションとスパイの秘密兵器でまず観客をあっためるこのやり方、本作への意気込みを感じて期待値があがる。
NATOの核爆弾を奪いそれをネタに米英を恐喝し大金をせしめるのがスペクターNo.2ラルゴの次なる計画でしっかりめのスパイアクション映画の体裁でますますいい。

英国南部NATOの空軍基地近くの保養所に偶然いあわせるジェームズ・ボンド。先に潜入しているスペクター一味のリッペ伯爵の隣の部屋には包帯で顔がぐるぐる巻きの怪しい男が。ジェットパックで失笑したばかりなのに脊柱の牽引装置までブッこまれてもう失笑を通り越してハラが痛い。しかも背伸ばしの刑のお返しが蒸し焼きの刑とは。今回もトンチキ路線なのかと一瞬ヤバさにつつまれるが踏み止まる。さっそくそこの看護師さんとボンドがいい仲になるのもデフォこれについてはもはや何も言うまい。
NATOのパイロット、ダーヴァール少佐に化けたアンジェロはヴァルカン爆撃機に乗り込み飛行機に搭載していた原爆ごと拉致。過剰に金を要求したアンジェロを殺害し原爆と起爆装置を積み直しにラルゴ自らダイバーとなって大活躍。手下にやらせず自ら出向く。スペクターNo.2についてるみんなは上司に恵まれてる。それにしても手下がみんな使えなくて逆に可哀想になってくる。何回ボンド暗殺に失敗したか。そしてなぜ訓練飛行に原爆積んでたのかはナゾ。
死んだダーヴァール少佐は包帯で顔をぐるぐる巻きにされて保養所に運び込まれるのだがその隠した顔をボンドに見られしまう。リッペ伯爵は作戦の失敗の責任を取らされてダーヴァール少佐の秘書として潜入していたフィオナに殺される。
ダーヴァル少佐が昨夜死んでるのを見たと言うボンドの言を信じてサンダーボール作戦の指令カナダ行きをバハマ諸島にあっさり変更するM。「007がそう言うんだから間違いない」ってパパMはやっぱりボンドに甘いし少佐の妹がナッソーにいるというのが理由になるのかは甚だ疑問。そこは都合よく少佐の妹ドミノと知り合ったら黒幕ラルゴの愛人なのだった。
ラルゴ邸への招待の前になんとQが秘密兵器持参でバハマのボンドのもとに現れる出張Qラボがあってけっこう笑った。パイナップル柄のアロハ着てやってきてもうノリノリ。ラルゴ邸のプールに棲むコサメちゃんの迫力のなさにまたも笑う。

この時点でわらわらでてくるボンドガールを整理する。ボンドの助手ポーラ(マルティーヌ・ベズウィック)ラルゴの愛人にして殺されたNATO少佐の妹ドミノ(クロディーヌ・オージェ)そしてスペクターNo.12女殺し屋のフィオナ(ルチアナ・パルッツィ)最初ドミノとフィオナの見分けがつかなくて混乱した。クールビューティは見分けがつかぬ。

助手のポーラは拉致後自白を強要され自死し、フィオナはボンドと寝るも「神通力は失せた。ボンドに抱かれた女は天国の歓喜を味わって改心して正義に目覚めるそうだけど私は違う。」と言い放つ組織を裏切らないボンドガールだった。スペクター側にそんなウワサたってたのが面白すぎる。
カーニバルの中逃げ回るボンドを追い詰めるもボンドに盾にされ味方の凶弾に倒れるフィオナ。かわいそう。支払いのタイムリミットが迫る中、ボンドとフィリックスはサメがウヨウヨいる海域で昆布付きの網でカモフラージュされた爆撃機を発見し、遺体から少佐のドッグタグと時計を回収しドミノの復讐心を煽り協力を要請。一方ボンドは単独で隠していた原爆を回収するラルゴ一味に潜入しており味方の落下傘部隊も入り乱れての水中戦が繰り広げられる。このシーン、50年前にどうやって撮ったんだろうと思うぐらいにスゴイ。いかんせんスピード感がないのでゆるく増長な感じがするのが本当に残念。ゴーグルで顔が見えないため差別化を図るために敵味方でウエットスーツの色分けがしてあってボンドはジェット噴射を背負っていてなぜか噴射の色が黄色。頑張った工夫のあとが見える。ドミノはディスコ・ヴォランテ号の原爆探査を始める前にラルゴに捕まり焼いて冷やしての拷問を受ける前に改心した物理学者クーツ博士に助けられラルゴも自分の手で仕留めてボンドとともに船から脱出して大団円。船が半分に分かれるところとか爆発とかなかなかすごかった。スピード感を出すためにフィルムを早回ししている。
今回CIAのフィリックス・ライターもなにげに活躍。とにかく復職したようでよかった。あとボンドの髪の毛が七三分けで増えてて…がんばってた。
一緒に海に飛び込んだ泳げない博士の行方が気になる。早く回収してやって欲しい。
タキ

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