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007/サンダーボール作戦のmurabonのレビュー・感想・評価

007/サンダーボール作戦(1965年製作の映画)
5.0
コロナウィルスの影響により最新作公開延期という衝撃のニュースが届きました。4月の公開を支えに何とかつらい仕事や人生にも耐えてきたので精神的ダメージが半端ないですが、興行的な面も考えると仕方ないですよね。

今回のコロナウィルス騒動、まるでスペクターが企む陰謀のようですね。今も世界のどこかでコロナウィルスを静めるためにジェームズ・ボンドが活躍していることを妄想しながら公開を待ちたいと思います。

ということで、シリーズ第4作「サンダーボール作戦」。シリーズの人気も高まっていた時期であり、これまでの3作と比べて予算も増え海洋スペクタクル大作に仕上がっています。
前作に続いてこっそりアカデミー賞「視覚効果賞」を受賞。
007のトレードマークである冒頭のガンバレルシーンですが、前作まではコネリーではなくスタントマンがボンドを演じてました。本作からショーン・コネリー本人が登場。銃を撃ったあとのよろよろ具合、腕の伸び具合がなんとも言えず酒が進みますね。

本作の敵は再びスペクターに戻りました。
原爆を強奪し世界を脅迫するというスケールのでかい企みが最高です。
これに対して00課が全員招集される場面はアがりますね。この会議の場面、無駄に部屋がデカいのもいいです。

スペクターの会議シーンは社畜には心が痛い名シーンですね。ダメ社員が処刑されるシーンは涙なくして見れません。この場面は仮面ライダーのショッカーとか後の様々な作品に影響を与えている気がします。

シリーズ中では長尺の割にぶつ切り感がある編集が気になる方もいますよね。元々は3時間を超えるような状態からかなり苦労して編集したそうです。前半ダレるという意見があるのも分かります。
誰もが印象に残るであろう後半の水中での戦闘シーンは圧巻。この水中撮影はすごいですよ。テンポがゆるいとの意見もありますが、動きに制約もある水中であれだけの人数、機械を統制するのはものすごく大変だったと思われます。ボンドの衣装だけが周囲と比べて浮いてるのは観客的には分かりやすくてありがたいですが目立って危ねぇとしか思えませんね😊
その後はどうすんの?と誰もが疑問に思う最後のオチのシーンは007大好きなクリストファー・ノーランが「ダークナイト」の作中で引用してましたね。初見のときは「サ、サ、サ、サンダーボールやんか、さすがノーラン・・・」となりました。

ジェームズ・ボンド役はショーン・コネリー。ショーン・コネリーは薄毛で第1作「ドクター・ノオ」の時点で既にカツラを着用していたのは有名な話ですが、本作では水に濡れるシーンが多く違う意味でヒヤヒヤしますね。
体型はまだムキムキでかっこいいです。ボディービルダー出身の魅力的なボディーを見せつけてくれます。
カジノのシーンでのフォーマルな装いから、アロハシャツなどのカジュアルな衣装まで色々見れて楽しい。
ちなみに本作では珍しく敵の銃弾がボンドに当たる(正確にはかする)シーンがあり貴重です。他にも珍しく「助けてー」って叫ぶシーンがあったりけっこうピンチが訪れます。

メインのボンドガールはクローディーヌ・オージェ。ストーリー的にはそんなに絡んでこないのでおいしい役ではないですが、シリーズでも屈指の美人です。グラマラスな体型も素晴らしいですし、ほくろがエロいですね。

悪役側のボンドガールとして登場するルチアナ・パルッチィがまた素晴らしいんですよね。ボンド映画で今後も登場することとなる悪役側の美女の先駆者として鮮烈な印象を残しました。
私どちらかというと胸は小さめが好きなんですけど、今作の彼女の豊満な胸は貧乳派をも釘付けにしてしまう魅力がありますね。ルパン三世の峰不二子のような悪女感がすごいです。
何か身に付ける物を取ってという全裸の彼女に対してボンドがサンダルを渡すという浴室での一連のやり取りは私の大好きなシーンです。

悪役としてアドルフォ・チェリ演じるスペクターのNo2エミリオ・ラルゴが登場。眼帯を付けたその姿は印象的で「オースティン・パワーズ」でもパロディにされていましたね。本作では何故かプールにサメを飼っており、邪魔な人間をサメに食わせて処分しています。007の悪役はサメが大好きの元祖ですね。
コネリーがサメとニアミスするシーンはスタッフのミスでマジで仕切り板がない状態だったらしくマジで焦っている表情を見ることができます。

秘密兵器としては空を飛ぶジェットパックが登場。コネリーのアップのシーンは誰が見ても合成と分かるのでジェットパックも特撮だと思う方も多いでしょうが、これホントに空を飛べるものなんです。遠景のシーンはホントに飛んでます。50年以上前なのにこの技術力はすごいですね。
Qの出張もシリーズでは初めて登場しますね。

というわけで全世界を救うスケールの大きいボンド映画として魅力的な本作、冒険感があって私は大好きな作品です。是非皆さんもご覧下さい。
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