このレビューはネタバレを含みます
朝鮮親善協会(KFA)なる組織に潜入したウルリクのどこまで本当かよく分からんドキュメンタリー調映画。序盤にモランボン楽団の曲が。
純然たる事実から構成されているドキュメンタリーならば、鑑賞後には登場した北朝鮮人の役人たちの身を案じてしまうところですが…。
もう冒頭のウルリクの監督へのアプローチからして胡散臭さ満点。元CIA局員によるスパイ講座なども噴飯もので、本気でやってるなら知能が疑われるレベル。
アレハンドロも、事態の経過をみるに映画内で祭り上げられてるような万能な人物とは到底思えない。しかし、事実の組み方とその中へのウソの混ぜ込み方がやはりとんでもなく上手い。
怪しい話の成り行きを延々と見せられ、真偽の狭間をゆらゆら漂うので、頭の中はハテナだらけですが目は離せない。最後のzoomのカメラワークは、フィクションであるという明白なメッセージにも思えましたが、どうなんだろう。
終わってみればスパイならではの話や衝撃的な機密の暴露などは微塵もなく、そういったものを目撃したような錯覚だけは植え付けられ、相変わらずの食わせ者ぶりを発揮されて、くやしいけど面白かった作品でした。