【第90回アカデミー賞 短編実写映画賞ノミネート】
2013年8月20日に実際に起きた事件を映画化した作品。SXSW映画祭で審査員賞を受賞、アカデミー賞にもノミネートされた。
ジョージア州アトランタ近郊の小学校で、精神疾患の病歴を持つマイケル・ブランドン・ヒル容疑者(20)が、500発の銃弾とアサルトライフルを持って小学校に侵入、職員らを人質にとった事件。職員の女性は勇敢に犯人を説得したと称えられ、オバマ大統領(当時)も彼女への電話で感謝を伝えた。
特別な趣向は特になく、過度に扇情的になることもない。説得した、というよりは自然に寄り添ったという感じ。
それが非常に良かった。淡々と映しているだけであるが、細かな描写によって二人の気持ちを表すのが見事。
もちろん未遂とはいえ銃乱射は絶対にダメなことだが、犯人の心の弱さには共感せざるを得ないものがあった。水を飲む震えた手、残忍になりきれないか弱い声と態度を繊細な描写で捉えている。
銃乱射という特別な事件を描くのではなく、心の弱さという人間の病理をしっかりと捉えた秀作。