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人生は、時々晴れのmatsuのレビュー・感想・評価

人生は、時々晴れ(2002年製作の映画)
4.0
「秘密と嘘」「ヴェラ・ドレイク」「家族の庭」などのマイク・リー監督作品

イギリスの貧困層の生活を描いた映画で重苦しい内容ですが、味わい深い作品でした


※ネタバレ含みます

タクシー運転手フィルは稼ぎが少なく会社で使う物を買うのに妻や娘から金を借りるほど貧しい

妻のペニーとも関係が冷え切っているし、人生なんてつらい事しかないと考えている

ペニーは貧しいながらもスーパーで働き食事、洗濯、掃除と家事が忙しい
(数少ない前向きな人間の一人)

娘のレイチェルは老人ホームで清掃の仕事をしているが生きる希望が少ない

老人ホームの老人男性から誘われるくらいしか喜びがない
家族ともあまり話さない

息子のローリーは無職で家族に反抗的な態度を取る

団地付近で近所の若者たちからいじめられている

その他にも団地内にフィルの同僚(妻がアルコール中毒)やペニーの同僚(娘がろくでもない男と付き合い妊娠、墮胎するかどうか悩む)などが住んでいる

映画に出てくる登場人物が皆、生きる希望があまりないように見える

終盤、フィルの息子ローリーに大きなトラブルがあったことからフィルの家族が結束する(優しい言葉をかけあうようになる)

その事だけがこの映画で唯一見えた希望

終盤の展開は貧しいながらも前向きでいなさい、というメッセージかと思われる
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