〝運命が分かれば怖くてベッドから出られない、それが人生だ…〟
そもそも人間とは〝孤独〟を感じながら生きている生き物である。
妻や旦那や子供や彼女や彼氏…家族や友人やペットがいようといまいと、誰もが孤独感を抱きながら生きなければならない。
その〝孤独〟をどう感じどう表現するかは、個人差はあるだろう。
この主人公のように〝全て運命だ〟と、自らを慰めるのも1つの孤独感を紛らわす方法かもしれない。
世の中には〝孤独〟がイヤだと有らぬ方向へ迷い込んでしまう人たちもいる。
〝孤独〟と1人はまったく違い、孤独感から逃れたくて〝ひとり〟になる事もあるだろう。
では一体〝孤独〟から解放されるには、どうしたらいいのだろう…。
多分、人間が人間である限り〝孤独〟と一生付き合っていかなければならないモノだと思う。
むしろそれはココロがある証で、〝孤独〟を味わえる人間でよかったと思ったらどうだろう。
仮にその〝孤独〟を少しでも柔らげるモノがあるとしたら、それは結局〝愛〟でしかない。
しかしこの〝愛〟と言うモノが〝孤独〟以上に難しいもの…相手があるものだから。
サウス・ロンドンに建つ集合住宅で暮らす、貧しい家庭(父・母・娘・息子)の物語。
何の取り柄も無い冴えない孤独感を感じ日々淡々と惰性で生きているようなタクシードライバーの父に、いわゆるニートな息子に悪態を疲れ疎外感を感じ生きる妻。
あまりにも悲壮感…いや全てを諦め生きる意味さえ忘れ、喜怒哀楽なく無表情な父〝ティモシー・スポール〟の演技がハマり過ぎ孤独感の絶頂なはずなのに失笑すらしまう。
人生に〝晴れ〟や〝曇り〟や〝雨〟なんか本当にあるのか?
良い事も有れば悪い事も有るなんて人は言うが、それも〝全て運命〟だと自分を納得させる主人公と同じ言い訳でしかない。
綺麗ごとでもいい、前に進むことができるなら。
どんな理由でも考え方でもいい…そうでもしなければ人生など、きっとやり切れないだろう..★,