Naoya

流浪の月のNaoyaのレビュー・感想・評価

流浪の月(2022年製作の映画)
2.8
雨の日の夕方、家に帰りたがらない10歳の少女は、傘をさしかけてくれた19歳の大学生の部屋に行き、共に過ごすことになる。凪良ゆう原作、季相日監督のヒューマンドラマ作。現代と過去を描き、2人の心情が色濃い人生が描かれていく様は、2人だからこその、2人だけの物語になっていて印象深い。人と人の関わりの複雑さが生々しく、時に優しく、時に残酷な様を描いた内容は凄まじい。劇中で少女と時を過ごした青年が、ロリコンや変態、病気と“加害者”と言われ、青年と時を過ごした少女が、やがて可哀想や病気と“被害者”と言われ、表される言葉では決して判別できない、各々の心情や境遇があり、そして2人だけの空間や世界観があり、2人の複雑で密な感情がよく表されています。それでも、終盤駆け足な場面はあり、読み取れない状況が所々あり、150分の尺ながらにまとめきれていない内容にも感じる。各々を演じる役者陣の迫真の演技は凄まじく、やはり広瀬すずと松坂桃李には魅了させられる。
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