たくや

流浪の月のたくやのレビュー・感想・評価

流浪の月(2022年製作の映画)
3.5
とある誘拐事件。その事件の当事者、世間的には“誘拐された少女”と“誘拐したロリコンの大学生”である二人。彼らが15年後に再会したことで…。というざっくりあらすじ😂
こんな説明では収まるわけがない濃密な内容だったよ!

この作品は心理描写をとても繊細に描き、時には力強い行動で感情を示すシーンもあり。さらには台詞、音楽、シーンそのもの、全てが作り込まれている。お気に入りは出会ってから通いつめるまでのカフェのシーンかな。静かだけど胸が高鳴るところ、最高。

この作品、観るのにかなり体力がいるけれど、これこそまさに【映画体験】といえるものだったし、主軸の二人の関係性や交流は素直に感動できる。細かくは言えないけど、最後の最後まで素敵だった。

広瀬すずの演技めちゃくちゃ良いですね!『怒り』も震えたな。彼女は李監督と相性良いと思う。また出てほしい🥺


さてさて、じゃあなんで3.5なの?ってところなのですが、とても気分が悪くなったのも事実。
観たタイミングが悪かったのかな…。

描かれるDVやネグレクト、性的虐待…などの社会問題の描写に嫌悪感を抱いてしまい。

また、彼らを取り巻く“世間”に心底辟易した。
描かれる世間の嫌な部分、これは自分が心から嫌いな要素だった。

“彼らのことはソッとしてあげて”の一言に尽きる。
たくや

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