Jimmy

流浪の月のJimmyのレビュー・感想・評価

流浪の月(2022年製作の映画)
4.3
池袋グランドシネマサンシャインにて鑑賞🎥

偶然に出会った青年と少女の長年にわたる物語であるが、150分にわたって心揺さぶられる李相日監督の力作✨

まずオープニング場面が素晴らしい撮影。…ブランコに乗る少女の「揺れ」に同期して揺れるカメラが素晴らしい✨
その後は、過去と現在が交互に描かれていき、居場所のない少女が公演で傘を差しのべてくれた青年(松坂桃李)から「ウチに来る?」→少女「行きたい」という形で青年と少女のささやかな幸せ時間が続く。
しかし、世間はこれを「少女誘拐事件」として報道しており、警察に二人は引き裂かれる。
15年後、事件を背負いながら生きてきた二人(松坂桃李と広瀬すず)が偶然再会する。
そして様々な出来事が起こっていく物語😳

この映画で「たいしたものだ!」と思ったのは、広瀬すずの同棲男(横浜流星)との激しいディープキス場面。コロナ禍になってから、これほどのディープキスは映画で観ていない気がする。素晴らしい役者根性。
また、ちょっと下世話な話になるが、広瀬すずは彼に乳揉みされるあたりも「大人っぽくなってきた感」あり…😆

印象的なセリフは沢山あったが、広瀬すずの「湖の時、手をつないでいたのを覚えてる?あの感触をずっと頼りにして生きてきた」なるセリフは、一人の女性の人生を背負う言葉として素晴らしい🙂✌️

劇中の過去パートで青年が少女に見せている映画がチラッと映るが、『東京ゴッドファーザーズ』(or『パプリカ』)だった。李監督の今敏監督へのリスペクトが感じられた。

李相日監督の映画は、『69 Sixteen Nine(2004)』・『フラガール』・『悪人』・『許されざる者』・『怒り』など…付き合いの長い映画監督の一人であるが、本作は「眼を見張らされるショットが多かった」気がする。
交差点を映した俯瞰ショット、DV受けた広瀬すずが街中を彷徨う移動ショットなどなど。

個人的には、「あの時、あの公園で雨が降らなかったら、どうなっていたのだろう?」と思わせられる「偶然」をきっかけに、見事で重厚、また現代における様々な問題(ネット上の誹謗中傷、DVなど)も描いた映画。
実に見応えのある作品だったが、(ネタバレは避けるが)オチがちょっと惜しい…(^^;
それでも全体的には、かなり頑張った佳作だと言ってよいと思う(^_^)
Jimmy

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