どらみ

流浪の月のどらみのレビュー・感想・評価

流浪の月(2022年製作の映画)
4.4
私生活がバタバタで重いstoryを観る元気がなく先延ばしにしていたのだが、大好きな『フラガール』を越えるほど私には沁みた
大好きな作品

他者には語りたくない(簡単には語れない)大きな傷を抱えた二人の奇跡の様な邂逅
(亡くなった母が人に言える悩みなんて悩みじゃないって言ってたことを想い出すし、お喋りな私だけど本当の痛みは誰にも言ってない、言えない)
独りぼっちで膝を抱え蹲っていた二人が共に過ごした自由で眩い刹那の夏が
その後の二人の人生の大切な尊い希望の光(生きるよすが)だった
運命は又二人を引き寄せる
二人だけが解り合う事の出来る
誰にも侵せない心の共鳴を響かせて
この先の二人が癒され安寧で幸せである様に祈る…

二人が過ごした太陽煌めく明るく最高の夏と
大人になってからの二人の心象を映すような紺色の落ち着いたトーン
ホン・ギョピョの撮影が見事

松坂桃李は空虚で諦めを抱えつつ
包容力があり優しく儚く透明な佇まい
自由な少女を驚きと喜びで見詰める眼差し、素晴らしかった
戦隊時代の殿からずっと観てるけど、過去最高の演技

今泉監督作等で印象に残ってる白鳥玉季
大きくなったけど
顔が似てないのにすずちゃんの表情と重なって見えて
奔放さと哀しみ、巧い

同じく戦隊からの横浜流星
愛情から暴走し自身がコントロール不能になる男の弱さ、哀しみ
人間の機微を演じられる大人の役者になったな~と

すずちゃんは🍑同様難しい役だったと思う
テレビの🍑と流星君との対談で
実人生の経験不足で役の演技が解らないって話してたけど
体当たりで頑張ってる感は伝わってきた

後は、趣里ちゃんが魅力的でしたね
困った母なんだけど、自由で正直

”更紗は更紗だけのもの
誰にも自由にさせちゃいけない”

どんなに誤解されても人には
護りたい事、語れない事がある

私にとっても、とてもパーソナルな生涯忘れ難い大好きな作品となった

落ち着いたリズムも映像もすべてが好きだ
どらみ

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