流浪の月の作品情報・感想・評価

「流浪の月」に投稿された感想・評価

けい

けいの感想・評価

4.0
松坂桃李はいつからこんな役が出来るようになったのよ。迫力ありました。広瀬すずもすっかり大人になってしまって、ねえ。

「人は見たいように見る」

というのは劇中の雑談で出ていた言葉だけど、それに尽きる映画だったと思う。予告を見てもわかるが、そんな他人の言動によって生きづらさを感じる二人の物語。

「あの人はああいう人」「この人はこういう人」そういう日常のさりげない話ほど的を得ていない話もないのだなと、気付かされる映画だった。

演出は少し奇を衒いすぎかなとは思う。また、もう少し主人公たちの心情がわかる流れがあるとよりよかった。これは脚本の問題かな。もう少しコンパクトにしつつ、分かりやすい映画にできたように思う。
メインキャストの演技は非常に鬼気迫るものがあり、安心して見ることができた。

最後に。程よい都会だと思ったが、長野県松本市だったようで遠くに見える山とビルのコントラストが美しい映画だった。
だいき

だいきの感想・評価

4.5
2022年公開映画52本目。

人は自分が見たいようにしか見ない。

世の中は多様性を認めるようになったのだろうか。
それとも、排斥される人間が変わっただけだろうか。
群れて生きざるを得ない人間は、常に何らかの属性の人間を排除する。
時代によって排除の対象が変わるだけかもしれない。
本作を通じて一番大きく受けたメッセージは「事実と真実の違い」。
これは劇中のキーワードでもあるが、普段の日常と照らし合わせるとより考えが深くなる。
ここに加えて、普段「自分の勝手な解釈を人に押し付けてないか?」というのも併せて気付いた。
普段、会話の中で人々は「自分が持っている枠組み」に ”無意識に” と当てはめようとする。
これが悪いとか悪くないとかではなく、「当たり前にしている」ということが着目ポイント。
そして、この「無意識にやってる勝手な解釈」が人を傷つけているという事象をしっかり受け止めるべき。

また、人によっては「真実」を伝えたくない場合もある。
それは本人の問題かもしれないし、相手との関係性の問題かもしれないが、とにかく「真実」を意図して伝えたくない。
人の勝手な捉え方や見方で”それ”を「事実」とし自分の意見を正当化することは誰しもあるが、これは一方的な見方であることだと自分自身で受け止めなければならない。
特に恋愛関係や家族関係など、センシティブな事柄こそ身勝手な解釈をしがちで、それを押し付けがちなため、改めて気をつける必要があると再認識する機会になった。
広瀬すず、松坂桃李、横浜流星と主要キャストは軒並み素晴らしい演技を見せてくれ、更紗の幼少期を演じた白鳥玉季は『ステップ』の時よりもさらに進化して、既に大女優の貫禄すら感じた。

誰もが自分が生きてきた世界で価値観や正義を構築しており、意志の強い人であればそれを基準に物事の良し悪しを判断して生きている。
それはみんな少しずつ違うし、大きく違う場合だってある。
自分には悪いと感じることでも、その人にとっては普通‘だったりする。
社会では“結果“が判断基準だが、人間は“結果“よりも“過程“の方が大切で、そこに真実や重要なことが隠れている。
この映画の中で、共感できる出来事は少ないが、共感できる感情は多かった。
多角的な視点を養うことが、自分を守ることにも繋がり、他人と関わる上で役立つ。
そんな気付きを得た作品。
y

yの感想・評価

3.5

このレビューはネタバレを含みます

苦しくてもどかしくてしんどい、

どこまでいってもふたりにしかわからない。その言葉に尽きる気がする。
 撮影監督がホン・ギョンピョだということで鑑賞。暖色と寒色の対位法がややゴリ押しだったが、見せ方がうまかったので良し。例えば、喫茶店で広瀬すずがくつろぎを感じているときに、横浜流星から電話がかかってきてスマホを開くと、青白い液晶の光が彼女の顔にかかる……など。
 出会いの日の雨や川の流れ、別れの場所となった池の水面の揺れと、水のイメージが連鎖するが、ここに過去および現在のカーテンの穏やかな揺れが加わる。フラッシュバックを多用しながらこれらのイメージを連ねて、安息と流浪という2人の関係性を雰囲気として醸成していく過程が丁寧だった。その上での、タイトルバック冒頭の2人の名前→「流浪の月」はにくい演出であった。
 セリフにもなかなかリアリティや含蓄があり、俳優たちの演技と相乗効果を発揮していた。登場直後の横浜流星の無自覚に魂を殺してくる言葉と、枝豆の皮を食卓に直置きするというデリカシーの欠如。そして何といっても、そういった周囲の無理解な言葉どもを曖昧な笑いで受け止める広瀬の表情芝居が(あるいは表情を見せないという撮影上の選択も)感動的に素晴らしく、後半でいきなり感情を爆発させる邦画お定まりの展開も、こうした鬱積の先にあるから素直に観られた。
 ストーリーは正直安っぽくて、少女漫画的な被害者意識を興奮させながらひたすら閉じこもる方向に転がっていくので、もうひとつ何かが欲しかったところだが、その欠点を埋め合わせるに十分な演技、撮影、演出だった。
CMD

CMDの感想・評価

3.5
記録
ori

oriの感想・評価

4.4
映像が綺麗だったし、挿入歌の流れるタイミングとかも素敵だった。
内容的にも、個人的には好きだった。正直ああいった性癖を受け入れられない人からしたら気持ち悪いのかもしれないけど、私的にはちょっと素敵だなと思ってしまったりもした。
最後の辺りで、自分の本当の姿を晒してるところがよくわからなかったのでもう1回ちゃんと観たいなと思った。
luz

luzの感想・評価

3.8
終始暗く、辛く、重苦しい。キャストの演技に圧倒された。松坂桃李って本当にすごい。
個人的に白鳥玉季ちゃんの演技が素晴らしかった。

当事者にしか分からないことがあるんだなって、
考えさせらる作品だった。

原作読んだことなかったから、観終わったあと、考察読んで納得したところがたくさん。

今回未公開映像もみれたのだけど、あのラストシーンを観れて救われた気がする。あのシーンはカットしない方が良かったんじゃないかな〜、、、

このレビューはネタバレを含みます

とてもよかった。
幼い自分を救い、穏やかで豊かな時間を与えてくれた文に対して、子供ながらに愛情を抱いた更紗。大人になって再会した文は、更紗にとっては大切な人のままだが、文にとって自分はもう女性として愛せる存在ではなくなってしまった。ただそんなことは悲しくない。ただ、愛しい文のことが可哀想で、自分が幼い姿に戻って、文が望むことをしてあげたいと思う。

子供のまま大人になってしまった文が、恋心を持つことのできた女の子と2度目の別れをしなければならなかったとき、文は1度目の別れよりも、大きな拒絶を表現した。これは、別れそのものへの拒絶?他者から自分の愛を否定されるへの拒絶?社会的地位を脅かされた(であろう)あの経験が、再び繰り返されることへの拒絶。どれかかもしれないし、全部のまだらかもしれないし、どれでもないかもしれないけど、2度目の別れを経験して、文は更紗に自分の秘密を打ち明けた。もう抱えておくことができなかった。
だけど、彼の奥の奥にあったものを彼が打ち明けてくれたことが、更紗にとって、文を愛し続ける力になった。ふたりはきっと、居場所が失われたら次の居場所に流れて、それを繰り返して、ずっと一緒にいるだろう。

追記:
考察や原作の口コミを見ていたら、ロリコンというのは、文が病気を隠すための偽りだとあった。病気の自分から目を背けた先が幼い女の子なんだと思っていたが、そうではなく、文は大人だろうと子供だろうと愛することができないのだと。多部さんとのシーンも納得…なるほど…

音楽:原摩利彦
yuuu

yuuuの感想・評価

4.0
独特な世界観に引き込まれる

みな、人には言えない何かを持っているのだろうな、と。
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