爆裂BOX

デモニックの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

デモニック(2021年製作の映画)
3.0
ニール・ブロムカンブ監督の6年ぶりの新作ながらアルバトロスからひっそりDVDがリリースされ、しかも評判もあまりよくないのでこわごわ鑑賞。うーん、これが無名監督作なら斬新なアイディアの作品だなと思いますけど、この監督としては凡作という感じかな。
故郷に戻ってきた主人公のカーリーは大量殺人を犯して逮捕された母親が、全身麻痺の昏睡状態となったと伝え聞いて収容されている施設に向い、そこで医師のマイケルから「シュミレーション」と呼ばれる意識に繋がる仮想空間に入り母と再会するも実は悪魔に憑かれていた母から警告を受け、更にその悪魔に狙われていくという内容ですが、バーチャル空間での悪魔祓いというアイディアは面白いですね。現実と見紛うようなリアルな物じゃなく、周囲の建物と解像度の違う主人公がその中を歩き回る所はゲーム画面っぽいですね。終盤の逆さの母親との対話シーンは「サイレントヒル」彷彿しました。
そこから徐々に主人公も悪夢を見たり不穏な空気が漂っていきますが、ちょっとテンポが悪くて冗長な感じを受ける所もありましたね。悪夢の中で親友がブリッジして迫ってくるシーンは既視感あれど面白かったですが、派手なシーンは予算の関係もあるでしょうがありませんでしたね。ペストマスクのような頭を持つ悪魔のヴィジュアルは良かったですが、登場シーンが少なかったのも残念。
実は施設の職員が○○だった…というのは早めに読めましたが、後半に登場するヴァチカンの対悪魔特殊部隊登場シーンは、体に十字架のタトゥーが入った屈強の男達が戦闘服に着替えてさあ出撃だ!という雰囲気で出てくるのでワクワクしますが、シーン切り替わった時は壊滅してるのは笑っちゃいました。低予算のせいなんだろうけど、少しでいいから戦うシーン見て見たかったですね。ほんの少しでも戦うシーンあれば大分印象変わっただろうに。
この監督ならではの水風船みたいに人体破裂したりするゴア描写もなかったな。
主人公の友人二人が良い人達だけに酷い目にあうのはちょっと可哀想に感じました。マーティンは精神病んでると言われて見捨てられた過去があるのに最後まで主人公に付き合いますし。でもこっちは助かったからいいけど、ずっと主人公支えてきて心配してくれてたサムはマジで可哀想。せめてサムだけでも町に送り届けてから対決に向うべきだったんじゃ。
最後の戦いも結局物理攻撃で戦う展開になるのもお馴染みの展開という感じですね。乗り移られてバッドエンドで終わるのかとちょっとドキドキしましたが。でも、どうせなら仮想空間で戦って決着してほしかったな。折角の設定なのに母親との別れなどの対話だけで終わったのは勿体ない。
母親との別れや、最後母親の墓参りに行く所は良かったかな。
ニール・プロムガンプ監督作としては凡作B級ホラーという印象受ける作品ですね。楽しめないことはないけど、チョイ残念な印象残りました。