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レッドクリフ Part II ―未来への最終決戦―のmatchypotterのレビュー・感想・評価

4.0
80万人対5万人っておい。流石にそりゃ無理だろ、赤壁の戦い。というのを見事に渡り歩いてしまう呉の周瑜と蜀の諸葛孔明。
戦と軍の策に長けてる2人がさらに連携し、それどころか天気を先読みしたり、多彩な才能を発揮するこの畳み掛け、曹操とその大軍をジリジリと退けていく様が見もの。
曹操が少しずつ顔から余裕がなくなっていく様がとても印象的。
トニーレオンと金城武。なかなか気が利いてお茶目でてもしたたかな2人の策士を見事に演じる。

趙雲と我らが中村獅童演じる甘興。この2人の気迫と闘志はなかなかこの三国志のタレント揃いの中で歴史的大戦の中で光ってる。痺れる。
関羽と張飛はこのPart2ではやや控えめではあるものの、こいつらも相まって策を講じつつ、絶対的な数の劣勢を跳ね返す屈強な軍と化す。
彼ら、まさにリアル三国無双状態。ホントカッコいい。甘興の最後とかちょっとやり過ぎだろと言うぐらいカッコいい。

リンチーリンもホント綺麗だな。当時のアジアンビューティーの権化。

この歴史的大戦の大軍のぶつかり合い。何人の人を使ってるのか。どのぐらいの規模でどれだけの人を集めてどれぐらいの期間をかけたのか。考えるだけで鳥肌が立つ。最近はCGとかでサラッと片付けちゃうのかも知れないが、本作はかなりエキストラを使って“生身の人間”でやってる印象。故に迫力や戦争の重みや生々しさ、命の尊さみたいなのがひしひしと伝わってくる。
ただの三国志の有名な戦いのデカい映画と言うだけでなく、それに見合った衝撃がガツンとある。

と本筋がスゴいことはもはや明確として。
個人的には孫尚香の“デブ助”の件が1番好きかもしれない。とにかく本筋とは関係ないサブエピソードの1つだが、国の中での骨肉を争う権力者の戦いの壮大なスケールとダイナミックな本筋とは対照的にしがない一介の一兵卒との小さな出会いと別れと現実、何かを守ったり何かを得るために戦っているはずが何か大切なことも失われていることをこの1つの切ないエピソードで体現されてとても切ない。やりきれない気持ちも芽生える。

この2本立て。数々の歴史的人物を描き、それぞれキャラを立てながら、壮大なスケールで超大規模な戦を凄惨に描いているものの、周瑜と孔明がキレるので、もたつかずに小気味良いテンポで話が進み、アイデアに富んだ聡明さと絶対諦めない強靭なハートで決して下を向かない姿が印象的な色んなことが楽しめる歴史スペクタクル超大作映画。

このテーマソング。ほんとテンション上がるわ。
あと、あの白い鳩も変わらず。
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