「この国は駄目になってしまいました」
公開当時はまだ未成年だったこともあり、当然生徒たちの目線で見ていた訳ですが、こうして大人になって見直すとまた違った印象を抱きました。
思い返すと、当時はちょうどミレニアムを迎えて新しい時代の幕開けという雰囲気だったのですが、訪れる未来は決して明るいものではなくて、なんとなく社会全体が混沌としていた時代でした。
そして、ショッキングな少年犯罪が立て続けに起こったりしたこともあって、大人が子供を怖がり、子供は大人を怖がらなくなり始めてしまった時代でもありました。
そんな時代背景もあってか、子供同士が殺し合いをする映画ということで、今作はニュースでも取り上げられるほどの社会問題になりました。
当時はそういうセンセーショナルでバイオレンスな部分だけが先行していましたが、改めて見直すとあの複雑な時代を見事に切り取った作品だということ、そして何よりも中学生という危うく多感な時期の少年少女らを描いた青春映画だということに気づかされます。
若い役者達の演技も上手い下手とは別に、全身全霊で取り組んでいる感じが伝わって好感がもてます。
当時はまだ駆け出しだった藤原竜也や柴咲コウなども出演していますが、今もなお第一線で活躍している役者達はこの頃から異彩を放っていましたね。
藤原竜也に関しては、すでにあの叫び芸が完成されていて、ちょっと笑えちゃいましたが(笑)。
尊厳を失った大人代表のビートたけしや、殺人マシーンの安藤政信はインパクトがすごくて、ほんといいキャラでした。
他にもまだちゃんと役者をやっていた頃の山本太郎や高岡蒼佑なんかも出演していて、真面目に芝居だけやってればよかったのになと思ったりもしましたね。
まぁ余計なお世話ですが…。