けーすけ

ヴォイス・オブ・ラブのけーすけのレビュー・感想・評価

ヴォイス・オブ・ラブ(2020年製作の映画)
3.1
カナダのケベック州で14人兄弟姉妹(!)の末っ子として生まれたアリーヌ。幼い頃に歌の才能を見出され、12歳でデビューした彼女の半生を追った物語。





世界的に有名な歌手、セリーヌ・ディオンの人生を基にしたフィクションのお話。
主人公の名前もアリーヌに変えつつのフィクションとはいうものの、事実だとも思われる出来事も描かれており、セリーヌ・ディオンの楽曲がふんだに使用されているので半分伝記のようにも感じます。


監督・脚本を務めたヴァレリー・ルメルシエは主演アリーヌまでを演じるという活躍ぶりなのですが、幼い少女時代から全て一人で演じるという。
最初そんな事など何も知らずに観始めたので、12歳の頃の容姿にはとてつもない違和感があったのが勿体なく思ったところ(勿論様々な技術で若く見せてはいるのですが、それでも、、、でした)。



主人公が有名な歌手というとクイーンのボーカルだったフレディ・マーキュリーを描いた『ボヘミアン・ラプソディ』や、ジュディ・ガーランドの伝記映画『ジュディ 虹の彼方に』などがあり、それぞれ成功や栄光の裏にセクシャリティや薬物などといった重めな話が絡んで来る事が思い出されますが、本作ではそういった部分はあまり無く、全般を通してアリーヌと彼女の周りの人々の愛にあふれたストーリーが優しいタッチで描かれております。

なので安心して観られるとも言えますが、色々な出来事が淡々と描かれ進んでいくため、悪く言うとクセのなさに物足りない気持ちになるかもしれないです。

また、コンサートのシーンもふんだんにあるのですが、前述の『ボヘミアン・ラプソディ』ほどしっかりと見せてくれる曲が少なくて、そこも少し物足りなく感じたところ。



お話のキモはアリーヌと彼女の才能を見出したプロデューサーであるギィ=クロードとの26歳差の恋愛話。
これも当然ながら両親の反対があったりという波乱はあったりするのですが、ドロドロとしておらず終始温かく描かれていてそこは好印象でした。



2021/12/20(月) オンライン試写にて鑑賞。
[2021-092]
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