Jun潤

映画トロピカル~ジュ!プリキュア 雪のプリンセスと奇跡の指輪!のJun潤のレビュー・感想・評価

3.8
2021.10.30

レビュー450本目。

テレビ本編視聴中作品。

デザインや舞台の雰囲気から夏の印象が強いトロプリですが、劇場版の舞台はまさかの雪の国。
それだけでも興味深かったですがまさかのハートキャッチプリキュアがゲスト出演。
これは見ないわけにはいかないと今回鑑賞です。

ある夏の日、雪の王国・シャンティアのシャロン王女から戴冠式の招待状を受け取ったまなつ達。
早速シャンティアに向かうとそこは一面銀世界だった。
積もった雪に大はしゃぎのまなつ達はそこで同様に招待されていたつぼみ達と出会い意気投合、、かと思いきやローラとえりかはなかなかウマが合わない。
不貞腐れたローラはシャロンと出会い、女王を目指す者同士親近感を感じ、心を通じ合わせる。
そして迎えた戴冠式。
そこで目にしたのは、雪の国の国民になってもらうというシャロンの本当の目的だった。
囚われた人々を救うため、シャロンの心を救うため、プリキュア達の戦いが始まる。

先輩プリキュアとのコラボは前作に引き続き二度目ですが、個人的に今作の方が合流も自然でしたし、変身前の交流に共闘、前作の合同強化フォームとは差別化された上に、トロプリとハトプリの要素が見事に組み合わさった合同強化必殺技と、コラボとしては百点満点でした。
さらに敵の背景にも「心の花」というハトプリの重要要素を持ってくる手腕、さすがです。
それにつぼみのキャラデザやえりかのキャラクター的にテレビ本編後っぽいのがまたいいですね。

トロプリの単独作品として観ても、テレビシリーズではご無沙汰になっていたローラの女王に対するこだわりを、劇場版ゲストキャラとの交流にリンクさせていたり、囚われた人々を救うためにシャロンを倒そうとするハトプリ勢に対して、今一番やりたいことをやるというトロプリのテーマをもってきたのもよかったですね。
各キャラも相変わらずな感じでしたし、クールなあすか先輩が一番オシャレだったり一番雪にはしゃいでいたのも可愛かったです。

そして毎年のことではありますが劇場版に重要なゲストキャラと敵キャラについて。
今作ではまさかのその2つが共通という衝撃の構成。
その割には闇落ちにも説得力がありますし、女王としての使命感があったからこその暴走ということもあり、敵を倒すだけではない、敵の心も救うというプリキュアらしさが出ていたと思います。

尺の都合かもしれませんが、トロプリハトプリ共にテレビシリーズよりも長尺な変身バンクに今作限定の特別な必殺技バンクもあってよかったですね。
作画の都合上いつもの馬越ハトプリが見れなかった分、久しぶりにスクリーンで見るバンクがより沁みました。

最後に例年恒例だったミラクルライト演出について。
今作でも昨年同様コロナ禍の煽りを受け演出はなし、さらには光るアイテムを使う場面もなしという、プリキュアにしては斬新な作り。
しかしその分強化フォームの登場に敵の良心やハトプリの助けが関わりドラマティックさは十分ありましたし、敵を救う場面に合唱を持ってくることで、プリキュアの力ではなく歌という現実にもある力で解決するという、子供達の夢を壊さない描写に仕上がっていたと思います。

主題歌は曲調やダンスの振りからなんとなくサクラ大戦の「希望の鐘」を思い出しました。

今作は異世界を舞台にしたプリキュアとしては王道な作りで、場面転換もキャラクターの数も少ないので、割とシンプルな作りでとても観やすかったと思います。
Jun潤

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