映像がかなり好み。
夢のような美しいシーン(思い出や想像の世界)に、ざらついたフィルム感(現実の世界)との対比がよかった。
心揺さぶられる、切ないストーリー。
ただ愛する家族と暮らしたい、そんなアントニオの前に立ちはだかる問題の数々。
アントニオの最善とは言えない言動にやきもきするが、きっとこれまでそうやって生き抜くしかなかったのだろう。
移民問題を取り巻く、虐待、貧困、仕事、犯罪、教育といった社会問題もうまく織り交ぜてあったように思う。
いろいろな親子の、それぞれの描写が素晴らしかった。
映画的ストーリーだけではなく、実際に同じことが現実に起こっているという事実を広く知らせるという意味でも、価値ある作品。