爆裂BOX

D.N.A.Vの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

D.N.A.V(1996年製作の映画)
3.5
海辺の小さな町は漁業会社と若者達の対立の渦中にあった。漁業会社では大きな魚を捕る為にホルモン剤を海に流し水質汚染していた。そんな中、海で人々が次々襲われ…というストーリー。
遺伝子操作が絡むモンスター映画に勝手に「D.N.A.」のタイトルをつけて続編にしていたシリーズ第五弾にして最終作です。実はロジャー・コーマン製作のサケから進化したレイプモンスターの半魚人が暴れる「モンスター・パニック」のリメイク作でもあります。
半魚人のデザインは「遊星からの物体X」や「ザ・グリード」のロブ・ボッティンがデザインした脳みそむき出しのリッカーみたいなデザイン踏襲しつつ、目が左右に大きく離れ、顔が前に突き出し背びれが大きくなるなどより魚らしさを感じさせるデザインになってますね。オリジナルでは特殊ホルモン入りのエサを食べたサケが突然変異してましたが、今作では軍が死刑囚を実験体に遺伝子操作を施して水陸両用に戦える兵士を造ろうとして誕生したモンスターという設定になっています。
また、男は子供でも殺すけど、女性は攫って妊娠させる設定も同じですが、今回はTV映画だからかぶよぶよした肉袋の中に閉じ込められるだけで、オリジナルの様な直接的な描写はないので万人向けになっているとは言えますね。ただ、オリジナルはそのお下劣なエロ描写でカルト的な評価得た所あるので、エロ描写ないならリメイクする意味ある?という人も当然いるでしょう。
主人公の漁業会社の社員ウェイドの過去にサメに襲われそのトラウマから海恐怖症になっている設定はフューチャーされた割には特に活かされる事なかったですね。乗り越えた描写もなく最後普通に海入ってますし。彼の部下でホルモン剤を海に投与していた男は殺されるかと思ったら妻攫われて共闘する流れになったのは意外でしたね。反対派のリーダーでウェイドの娘と付き合ってる青年の家ダイナマイトで爆破したり色々やらかしてたけど。
後半ではオリジナルと同じく祭りが襲撃されるシーンありますが、オリジナルでは主人公達も戦ってましたけど、今作では攫われた娘の行方掴む為に発信機付けた一匹の半魚人追う事優先してて他の襲われてる人達ほったらかしになってました。祭り襲撃シーンもオリジナルと比べると少なめでしたね。また、今回は軍も出動しますが、こちらも活躍するシーンは無かったな。頑固で嫌味な将軍が最後襲われる所はちょっと爽快でしたが。
オリジナルではオチになっていた半魚人ベビー出産シーンは中盤過ぎに登場するので、今回はオチ変えるかと思ったらそんな事はなかったですね。
テンポよく、半魚人のデザインもオリジナルよりちょっとグロくなってモンスター映画としては普通に楽しめましたが、オリジナル好きな人は特色だったエゲツナイエロ描写削除されてるのでがっかりするかもしれません。