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沈黙のパレードの8637のレビュー・感想・評価

沈黙のパレード(2022年製作の映画)
3.7
予習がほぼできてないからかもしれないけど、上手くハマれなかった。事件を科学的観点から浮かび上がらせる驚きはいつまでも続いていたが、その分誰もが指摘しているドラマパートの過多が激しい。

東野圭吾はいくつも刑事ものを描いていながら、違う面白さを見出している。
ガリレオシリーズの劇場版は、毎作つくりを変えていたように思える。それぞれの年齢も階級も変わり、定型的なシリーズには見せなかった。
どんでん返しの散りばめ方にはノレなかった。よくシリーズを知らないのだけど、どれも"ガリレオ感"が薄いのもどうも好きになれない所である。

とはいえ、湯川教授の堅物さはなかなかハマった。彼の行く方へ事件が寄り付くとも言えるような不運さ。平凡な我々との偏差値の差がありすぎて会話は噛み合わなければ、彼のカタブツさに大爆笑した箇所もあった。

特筆すべきは"沈黙の充実さ"だと思う。終盤に草薙が挑む取り調べでの沈黙の使い方に痺れた。やはりこのシリーズ、どこか俳優の技量に任せている部分があるよね。
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