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2番目に幸せなことのakayukiのレビュー・感想・評価

2番目に幸せなこと(2000年製作の映画)
4.0
ゲイのロバートは親友のアビーと酔って一夜を共に過ごし、アビーに妊娠したと告げられる。ロバートは父親になると決め、二人は親友のまま一緒に暮らし子供を育てることに。しかしアビーに恋人ができたことで事態は複雑になり…。

始めから上手くいくとは思えない関係性ではあります。どちらかに恋人が出来れば家族を続けるのは難しい。
それでもロバートの息子サムへの愛情を見ていると、彼にとって父親になったことは間違いじゃなかったのがはっきりわかるんですよね。サムとの時間が人生で一番幸せな瞬間になっている。
だからこそ、もう後半は辛い展開で。親権争いになれば端からロバートには勝ち目がない。ゲイが不利になるだけでなく、新事実や意外な展開まで起きて。本当に可哀想でならなかった。

訳もわからず父親から引き離されたサムの方も淋しがるばかり。車の後部座席の後ろ窓からパパのいた方向をずっと見つめてる姿が切ない…。家族にとって一番大切にしなきゃいけないのはやっぱり子供の気持ちなんじゃないかって思わされます。
三人が家族としていられるベストな形は望めなくとも、家族の繫がりを残す道はある。希望が見えたラストが好きです。

話の大筋は少しブレてるように見えたんですが、登場人物の心情が伝わってくるショットが多くて心に残ります。ゲイへの差別を感じるシーンがいくつもあるのもチクリと胸にくる。
ロバートの父親もゲイの息子に冷たく当たるんですが、ロバートに子供が出来てから二人の関係性が変わっていくのは必見。父子のシーン、少なくて短いながらも泣けます…。親子でも価値観は違うから分かり合うのは難しい、でも歩み寄るって大事ですね。

10数年前の私が好きだったこの作品、何年か振りに見ました。まだ若かった私にこんな複雑な作品が刺さっていたなんてちょっと驚きです(笑)
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