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猿の惑星:創世記(ジェネシス)のkaitoのレビュー・感想・評価

3.5
『猿の惑星 創世記』

かの有名な『猿の惑星』のリブート版。オリジナルの『猿の惑星』は観たことあるが当時は小学生だったのであまり覚えていない。盛大なネタバレは覚えているくらい、これは再度鑑賞してレビューに残す。

今作はシンプルに良い映画だったと思う。猿が街中で暴れるパニック・スリラー映画である反面、人間による私利私欲のための動物利用をシニカルに描いていて、警鐘を鳴らしているようにも感じられた。映画が掲げるメッセージがしっかり内在しており、映画を通してしっかりと伝わってきた。

約10年前の作品ということもあって、多少CGで気になるところはあった。特にシーザーがまだ子供であった時の描写がかなりCG感があって観ていて少しだけ違和感。主に目が少し不自然だった。おそらく映画が進んで行く上で、成長したシーザーとのギャップを生み出したかったんだろうと推測するが、違和感の方が働いたため効果的には感じられなかった。しかさ大人になったシーザーの姿は素晴らしかった。人間味が出すぎてることはなくて、自然に観ることができたのが意外だった点である。

シーザーが興味深いが故に、途中入ってくる人間ドラマが退屈だった。名前も覚えてない女性との恋愛もあまり興味深くない。描きすぎてないだけまだマシであったのは確かだが…。登場する人間はみんな薄っぺらいと感じたが、主にフォーカスが当てられているのは「猿」であるため、許容できるし理解できる。ただ主人公はもう少し興味深く描いて欲しかった。でないと、ラストシーンは映えない。

アンディ・サーキスの演技力は本当に素晴らしかった。繰り返し言うが良い意味で猿にも人間にもどっちつかず、両方の面をいい具合に兼ね備えていた気がする。出てくる人間たたはあまり演技が上手いとは感じられなかった。マルフォイはなんかマルフォイだしな。アンディ・サーキス一強だった、この映画では。

悪口が多くなったが、主にシーザーをはじめとする猿がメインなので人間どうこうを深掘りするのはやめる。シリーズものの一作目として、ましてやヒットした『猿の惑星』のリブート版としてはなかなかの出来だったのではないか。続きが観たいと感じさせられるシリーズものに出会ったのは久しぶりである。
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