滝和也

猿の惑星:創世記(ジェネシス)の滝和也のレビュー・感想・評価

3.6
よもやゴリさんに
泣かされるとは…(T_T)

あの名作、猿の惑星の
衝撃のエンディングに
繋がるべき前段を描く、
ストーリー。

「猿の惑星 創世記」

余りにもネタバレした猿の惑星のラスト。それ故に何故そうなってしまったかを現代的にストーリー化し、現在の技術で作り上げた一大叙事詩の第一作。

父親のアルツハイマーを治すため、新薬をウィルス化して作り上げるウィル(ジェームス・フランコ)。その実験のためチンパンジーを臨床試験に使う。チンパンジーは驚異的な知能の発達を見せたが、暴走。新薬開発は中止になる。だがチンパンジーのお腹には子供がいた。ウィルは彼を引き取りシーザーと名付け育てる。遺伝からシーザーも知能が発達していたが、ある日事件が起こる…。

モーションキャプチャーとCGにより、圧倒的なリアルさを持つ猿たち。そしてその映像のリアルさ、人の慢心から恐怖を生み出すと言うオーソドックスな展開と共に、なるほどそういう事か、と言う納得がいくストーリーを生み出してます。

ウィルとシーザーと言う二人の関係に焦点を合わせ、親であるウィルから仲間の元に巣立っていくシーザーを丁寧に描いている点が良いですよね。

シーザーの心情、その変化が手に取るように分かるという演出、技術がやはり凄い。特に反乱を起こすシーンのNOの台詞。あれは格好いいし、それまで描かれていたハリポタのマルフォイの虐待がエグいので、更にシーザーへ感情移入させられてますから、より響く。ここから始まる彼ら猿たちの暴動に対しても、そちらにエールを送ってしまうようになってますよね。

猿たちにはオラウータン、ゴリラと種類も出てきますし、オリジナル版を意識したキャラ名や配置になっているのが良かったです。

その中でも、最初に仲間になるゴリさんがたまらない。助け出された恩義を感じ、大活躍するゴリさんの勇姿。そしてシーザーへの忠義が名シーンを作ります。まさかゴリさんに泣かされるなんて…。そこ台詞ないんですが、聞こえてきちゃいますよ、心の中で。

また今見ると、猿に支配される、余りにもリアルすぎる理由付がなされているんですよね。今作はまだまだ序盤で終わるんですが、あの引っ張り方は上手い。一本として成立してる上に次が見たくなる。さぁまた借りてみようかなと。

猿って確かに身体能力だけなら、人より上だし、怖いですね。ただ人の慢心は更に怖い…。中国で猿と人間のキメラができる発表があッたばかりですからね…
滝和也

滝和也