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ブレードランナー ファイナル・カットのyaaaのレビュー・感想・評価

4.0
アイドルのCD並みのバージョンの多さには「二つで十分ですよ!」な感じですけど。
暗くて汚い未来像のオリジンの凄さは今観ても古さを感じない。
パンイチで鳩をもって雨の中たたずむバッティを変態ではなく映像美にさせるジョーダン・クローネンウェスの撮影も優雅。
サイバーパンクの攻めた世界観の中でハードボイルドの古典的語り口が色あせない(終始くすんでますけど)名作にさせている。
が、そのハードボイルドってハンフリー・ボガード的でなくアルトマンの「ロング・グッドバイ」的じゃないかと何回か観るうちに思った。
なんかデッカードってお茶目。

ミニうどんすすりながらスピナーに乗るデッカードは寡黙な出来る男風に見える。
タイレル社に出向いてテストするデッカードは有能なブレードランナーにしか見えない。
その後自身の存在に不安になったレイチェルが訪ねてくるが、いきなり「あんたの記憶は偽ものですぜ。」とガツンとかまして女を泣かす。
なんかこれは恋の駆け引きの高等テクニックですかと聞きたい。
ここらあたりから真意に反して?人間味あふれてくる。
蛇女ゾーラを追ってブレードランナーのプロフェッショナルを見せつける訳だが、その捜査方法がなりすまして相手に近づく事。
芸人組合から来ましたと声のトーンを変えて王道のコメディアンみたな芝居するデッカードが最高に笑える。
このシーンは個人的に好き。
その後すったもんだでレプリカントを「解任」した直後震えて酒飲むのもいい。有能でも平然とはおられない優しき人。
けれど女性に対しては高圧的で怖い酒場に来い!とかキスしてと言え!とかアメとムチのムチが強すぎるのがなんかスケベ。

ユニコーンの夢見ても不完全で人間味あふれるデッカードはやっぱりアレなのか?
yaaa

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