東京キネマ

ブレードランナー ファイナル・カットの東京キネマのレビュー・感想・評価

3.8
1982年のオリジナル版との違いは、CGのリニューアルとエンディングの処理以外は分からなかった。 リニューアルしてまた見てもらおうという発想はいいにしても、オリジナルの印象が強いエンディングの空撮をごっそり省くのは頂けない。これじゃ物語に余韻がなくなるし、バンゲリスも効いてこない。

冷静にこの映画を見直してみたが、あまりにも平凡なストーリーだ。それに哀れなレプリカントをあれだけ恐怖のシンボルとして描くことに、果たして意味があるのだろうか。 。ただ、ディテールの作り込みが半端ないので、その世界感だけで十分に観られるようになっている。それがこの映画の凄さだ。 とにかくその後、この手の映画はこの作品に影響されっぱなしだった。 ショーン・ヤングは信じられない美しさだし、バンゲリスは記憶していた以上に強い。時代が良かったと言うのは簡単だが、それにしても映画の持っているパワーを再認識させられた。
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