Kaako

ブレードランナー ファイナル・カットのKaakoのレビュー・感想・評価

4.5
以前に初期版を観た時にはそれ程気にならなかったけど、この舞台設定2019年なんですよね。
2019年といえば再来年ですよ!
今のところ現実の2019年はまだ大丈夫そうですが、10月の長雨は氷河期の前兆という説もあるし、このままではブレードランナーの世界が現実のものになるかも…((´・ω・`;))
北朝鮮問題も深刻ですが、地球温暖化対策もお願いしますよトランプさん。


環境破壊によって降り続く酸性雨のせいで常に暗く湿った空気、胡散臭い強力わかもとのCMが流れる大型モニター、日本語や中国語の看板、台湾風の屋台、アジアの色々な国が入り混じったような街並みにはかつてのロサンゼルスの面影は無い。
この独自の世界観が、荒廃した街とそこに住む人々の荒んだ心を表しているように感じる。

人口が減少した為に働き手として造られたレプリカントと呼ばれるアンドロイドには人間と同じように血が流れていて感情もある。
科学者にとっては人間と全く同じようなアンドロイドを造ることが夢なのだろうが、レプリカントにとっては残酷なことこの上ない。
人間とほとんど変わりが無いのに人としては扱われ無いのだから、反乱を起こすのは当然のことと言えよう。

逃亡中のレプリカント ロイを演じるルドガー・ハウアーが素晴らしい!
彼を見ていると人間性とは何か考えさせられ胸が苦しくなる。
人間とは何と愚かで、残酷な生き物なのだろう。

色々と想像させられる終わり方も心憎い。
初期版の方がわかりやすいと思うがラストも含めこちらの方が好き。
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