お豆さん

ブレードランナー ファイナル・カットのお豆さんのレビュー・感想・評価

5.0
『ブレードランナー2049』がとても良かったので、元祖を初鑑賞。順番が違ってけしからんとか、そういう古めかしいことは言わないでくだせえ。結果、デッカードの運命を知っていながら見るというデメリットはあったものの、いかに『ブレードランナー』が時代の最先端を行く作品だったのか、そして『ブレードランナー2049』が第1作目の世界観を踏襲し、大切に作られた続編であるかがよく分かった。

内容の面白さはもとより、オープニングからヴァンゲリスの最高にかっこいいテーマでちびりそうになったのを始め、音響&ビジュアルの素晴らしさに見惚れて(聞き惚れて)しまった(ちなみに個人的にオープニングの音楽にグッときた映画は、他に『AKIRA』と『ロスト・ハイウェイ』かな)。エンディングテーマもすごくかっこよかった!トレイラーで見ていたブレラン印の酸性雨が降りしきるノワールな退廃都市のイメージはもとより、クラシックでハードボイルドなロサンゼルス市警のイメージ、蛇女のショーが行われるクラブのサイバーパンクなイメージ、奇妙なおもちゃ箱をひっくり返したようなJF・セバスチャンのゴシックな家のイメージ、それぞれの場面での世界の作り込みようが半端なく素晴らしい。もともとはセット・デザイナーだったというリドリー・スコットの完璧主義が遺憾なく発揮されていて、『エイリアン』とか他の映画も見たくなった(でも「誰か変なもの〜」のごり押しが超気になった!笑)。それでも、ここにビデオ電話を登場させたリドリー・スコットも、スティーヴ・ジョブズの発明品は思いつかなかったか…。

改めて『ブレードランナー』と『ブレードランナー2049』を振り返ってみて、1作目のイメージを継承しつつ、決してコピー作品にはしなかったドゥニ・ヴィルヌーヴの優等生ぶりに感服した。30年という年月は結構長くて、その間にテクノロジーも加速度的に発達してるはずだから、そういう意味で「ジョイ」ちゃんのようなキャラクターを出してきたり、変化を付けてきているところも良い。また数年後に、2本あせて見てみよう。
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