ツネイシ

最後の決闘裁判のツネイシのレビュー・感想・評価

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)
4.1


『俺の事はサーと呼ぶのだ!!』


『わかったよ、サー・カルージュ。』



14世紀、百年戦争時代のフランス。

戦場で友情を育んだ従騎士ふたり。

猪武者のジャン・ド・カルージュ。

伯爵の寵臣ジャック・ル・グリ。


ジャンの奥方が旦那の留守中に
訪れたル・グリに手篭めにされ
たと訴えるもル・グリはこれを
全面否定。

かくて真実を賭けてふたりは
決闘する事になる……。

事件の当事者であるジャンと
ル・グリ、奥方マルグリット
其々の視点でふたりの従騎士
の出逢いから決闘裁判に突入
するまでの経緯を観せてゆく。

まずはジャンの視点。

次にル・グリの視点。

最後はマルグリットの視点。

話が進むと誠実で武勇の男
ジャンが馬に乗って得物を
振り回すのが得意なだけの
残念なヤツだとバレる😅

武勇はあるが智略は乏しく
領主としては実務は駄目で
主君に気に入られるように
振る舞う才覚も無いくせに
強欲で我が強く見栄っ張り。

更にマルグリットの視点で
描かれるジャンは奥さんの
意見や感情はすこしも尊重
してない。

形の上では彼女の為に命を
懸けて戦ってるんだけれど
それも自身の見栄の為だと
分かる。

裁判の尋問内容がセカンド
レイプとゆうか近代なのに
真顔でこんな事いってるの
かと愕然とする出鱈目過ぎ
る事実認識が常識になって
てビビる。


でここでもジャンは自分の
名誉が傷付く供述があると
奥さんに噛み付く始末。

もしジャンが決闘に負けたら
大恥かいた上に悪女の烙印を
押されて直火でゆっくり炙ら
れて地獄行き。

こんな奴に命預ける位なら
泣き寝入りするのが正解だ
ったと後悔しても後の祭り。

果たして決闘の決着やいかに。

劇中の戦闘シーンや中世の事物
の描写は最高にリアルで決闘も
凄く迫力ありましたねー。

キッチリトドメ刺す場面も強烈。

また敗者の遺体の扱いの酷さも
バッチリ見せてて素晴らしい。

リドリースコット史劇の中でも
1番のお気に入りになったかも。
ツネイシ

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