RuiAuden

最後の決闘裁判のRuiAudenのレビュー・感想・評価

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)
4.5
稀代の職人監督にして鬼才、そして早撮り王であるリドリー・スコットが『テルマ&ルイーズ』に続いてまたしてもフェミニズム映画の傑作(と言って良いだろう)を撮った。決闘裁判をする主役男二人が最低な奴らなのは当然として、何故にこうもベン・アフレックは相変わらず殴りたくなる役が似合うのだろうか。『バッド・チューニング』以来じゃないだろうか、奴をこんなにブン殴りたくなったのは(すまない。あくまで役柄として)。しかし本当に周りの男たちが観る者をイラつかせる映画であるが、特にポンコツ国王の純粋無垢(?)なバカっぷりも大いに笑いどころであり、注目してほしい。そして全体的に監督の神に対する疑念(あるインタビューでは「無神論は言いすぎ。不可知論者だ」と語っていたこともあった)や価値観が作品のエンジンを加速させている。これこそパンフを読みふかしたい(歴史的背景やフェミニズムなど)作品であるが、発売がないのがとても残念である。再びアダム・ドライバーと組んだ次回作『ハウス・オブ・グッチ』にも大いに期待。
RuiAuden

RuiAuden