ガルベス

最後の決闘裁判のガルベスのネタバレレビュー・内容・結末

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

一人の女性をめぐる男二人の濃密なドラマとも、黒澤明の「羅生門」的ともまた違った今日的な問題にクローズアップさせた大傑作だった。

直情的だが一途に妻思いなマット・デイモンの1章、友を持ち上げるも聡明で社交に長け権力者から一目置かれるアダム・ドライバーの2章と来てから、二人に翻弄されるジョディ・カーマー視点の3章目で諸々覆されていてすこぶる面白い。
ジョディ・カーマーのみが現在的な価値観を持つつくりで、1、2章の両者がいかに面子に囚われ、相手の感情を無視して振る舞ってきたのかが明るみとなる。
勇気を持って強姦されたと告発したばかりの妻に対するあの夫の行為、ホントにおぞましい。

ドラマ性のみならず風格漂うルックだったり決闘シーンはハラハラとしたエンタメ感があったりと隙なし。
 
83歳にして意気盛んなリドリー・スコットと脚本のマット・デイモン、ベン・アフレックの「グッド・ウィル・ハンティング」コンビの才気が見事に化学反応。
ガルベス

ガルベス