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最後の決闘裁判のMasterYuのレビュー・感想・評価

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)
3.7
リドリー・スコット監督、マット・デイモン、ベン・アフレック共同脚本ということで、興味はビッシビシそそられていました。

14世紀末のフランスを舞台に展開される史実を元にしたストーリー。

妻を強姦された騎士ジャン、ジャンの旧友でありその妻を強姦したとされる従騎士ジャック、そしてジャックに強姦されたと訴えるマルグリット。
この三者の視点が各章に分かれて展開される構成で、同じシーンの繰り返しのように見えて、その実それぞれの視点の違いから、微妙にセリフやら動き、事象ですら異なって表現されているところが面白い。
こうした構成は、黒澤明の「羅生門」ぽいと多くの人が感じるとは思いますけど、「羅生門」ほど目に見えて大きな食い違いがあるわけではないところに、脚本の妙があると。それに合わせて見事に演じ分けるマット・デイモン、アダム・ドライバーはもちろん良かったですが、ジョディ・カマーの表情の作り方が何よりも良かったですね。
最後の決闘シーンでのそれは、複雑な思いを見事に表していてグワッと惹き込まれました。

「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け(2019年)」のレイの母親役で出ていた時に、誰だろう?とチェックしたのが始まりで、今年(2021年)劇場で観た「フリー・ガイ」でその存在を確実に認識したわけですが、今後も気になりますね。
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