ロビン

最後の決闘裁判のロビンのレビュー・感想・評価

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)
4.0
いきなり冒頭のシーンが大好きな映画「ROCK YOU!」を彷彿とさせて気分が上がる!

中世のフランスが舞台なのに、常にイギリスのような曇天模様で終始暗く湿った雰囲気を漂わせているのがたまらない。

14世紀に実際にあったとされるフランス最後の決闘裁判。
一章:カルージュ(マット・デイモン)の真実
二章:ル・グリ(アダム・ドライバー)の真実
三章:マルグリット(ジョディ・カマー)の真実
と三者のそれぞれの視点から事の顛末が語られて、最後の決闘へと繋がる構成。
決闘裁判となった要因は騎士カルージュの妻マルグリットが、カルージュの親友でもあった従騎士ル・グリに留守を狙われ暴行されたという強姦事件。
この3人それぞれの視点(証言)で、裁判に至るまでの経緯が3回語られるのは、所謂黒澤明監督作『羅生門』スタイルなのかなと。

同じ場面でも言葉、行動が三者三様で切り取られるシーンも違い、印象的なシーンも相手には取るに足らないことだったりする。。
当然なこととして加害者のル・グリと被害者のマルグリットの捉え方の違いは胸糞だけれど、夫のカルージュも嫁さんの為に裁判を起こした良い旦那だな〜なんて呑気に思って観てたけれど、いざ嫁さんのマルグリット視点になってみたら「はぁ?!」って感じでかなり胸糞な旦那!
さらにマグリットが告発した後の女友達や姑とのあれこれ、衆人環視の中での質疑や供述等数百年前のことながら酷過ぎて胸糞!

ラストの決闘も緊張感抜群でめっちゃ最高で必見!
そしてマルグリットはこの決闘をただ見守ることしかできないが、決闘している男二人同様に緊張感ある存在として描かれているのが良かった。
それにしても、敗者への扱いが惨過ぎる。。

【ネタバレ】
  ↓




決闘で負けたらマグリットは火炙りにされるって、ちゃんと知らされてなかった。
自己中で自分のプライド守ることしか頭に無いカルージュはホントにクソ野郎!
火炙りされると分かっていたら告発しなかったんじゃないか。
なので旦那が負けたら火炙りにされるんだから、そりゃめちゃめちゃ緊張しまくりで決闘見守るよね。。
日本の死刑も火炙りにしたら凶悪犯罪減るんじゃないかなと。。

それとル・グリから階段で逃げるマルグリッドの靴が脱げ落ちる描写が、ル・グリ視点だとわざわざ自分で脱いで置いて行っているような描写なのに、一方マグリット視点では逃げる時に慌ててたので自然に脱げてしまった描写に。
レイプ加害者と被害者の視点の違いを如実に描写したシーンだなと感じた。

そして何より生まれてきた息子黒髪じゃなくて良かった!
ロビン

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