テリーマザーファッカー虎

最後の決闘裁判のテリーマザーファッカー虎のレビュー・感想・評価

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)
4.4
これみよがしなカットを廃し、不自然にならないレベルの省略に次ぐ省略でテンポよく見せていく手腕は流石リドリー・スコット。150分が適切な時間というのも納得の作品!

明確な本作で描きたい主題と、エンタメ作品としての盛り上がりをキッチリ抑えた脚本も見事。
3つの視点・記憶を巧み扱ったミステリー的構成も素晴らしい。3幕目のあまりにも酷な真実はまさに現在でもどこかで誰かが受けている暴力そのもので非常にヘヴィーでした。

マット・デイモン、アダム・ドライバー、ベン・アフレック3人の演技もあえて奥行きを見せるような演じ方をしていて流石だったし、本作の実質主人公であるマルグリットを演じたジョディ・カーマーは圧倒的!
クライマックスの彼女の表情で全てを物語るカットは圧巻でした。

ご褒美的なクライマックスの決闘場面も手に汗握るアクションシーンとなっているし、サラりと入るヴァイオレンス描写も良かった。

2021年の今でこそ見なければならない作品。