勝者こそが真実。
中世フランス。カルージュの妻マルグリットは、夫の旧友であるル・グリに強姦されたと訴える。しかし、ル・グリは無実を主張し、真実は決闘裁判に委ねられた。生き残ったものが真実を手にする裁判の行方は。
マルグリット以外の登場人物終始胸糞悪すぎた(褒めてる)。
中世の女性に権利がなかった時代。そうした時代背景を汲み取り、巧みな演技で世界観を構築した豪華キャスト陣は見事。特にアダム・ドライバーは涼しい顔してとんでもないクソ野郎っぷりが最高だった。
己の誇りだけをかけて戦う戦士としての生き様が映える決闘裁判は迫力満点。
最後の展開を見ていても、この時代は自分のことしか考えることができない人物が多かったのだと思う。妻も単なる飾りでしかなく、自分や家族をよく見せ、讃えられることしか脳がない。そんな時代で生きた女性たちはどれだけのことを耐えてきたのかと思うと胸が苦しくなった。
見終わった後、どんな状況であろうと他者を想える人でありたいと思った作品。