映画好きの柴犬

最後の決闘裁判の映画好きの柴犬のレビュー・感想・評価

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)
4.0
サーは、SFよりもこういうのが合ってるのでは

 1386年、旧友ジャック・ル・グリ(アダム・ドライバー)に妻マルグリット(ジョディ・カマー)を強姦された騎士ジャン・ド・カルージュ(マット・デイモン)は、ジャックに対し決闘裁判を申し入れる。

 「ゲティ家の身代金」「ハウス・オブ・グッチ」と実録ものが続くリドリー・スコット監督による重厚な歴史劇。決闘裁判に至る過程を、ジャン、ジャック、マルグリットの視点で描くことで、それぞれの思惑のずれ、男たちの身勝手、男に依存しなければ生きられない女性の悲哀を浮き彫にする。

 公平な裁判が望めない中で、命懸けの決闘で判決を決するっていうのには時代性を感じる一方で、そこに至るまでの被害者である女性へのハラスメントの数々は、今も驚くほど変わっていない。

 「フリー・ガイ」で注目したジョディ・カマーは、マット・デイモン、アダム・ドライバーの向こうを張る見事な存在感を発揮。今後の活躍が一層楽しみになった。