映画ケーン

最後の決闘裁判の映画ケーンのレビュー・感想・評価

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)
4.8
久々に先が読めない映画を観た。
渋いけど超面白い。
こういうとカッコつけてるみたいで嫌だけど、シェイクスピアを見てるみたいだった。

マット・デイモンの嫁が親友アダム・ドライバーにレイプされ、3者の視点から真実が語られ、親友だった2人が決闘の殺し合いをすることになっていく…
というと『羅生門』みたいな話かと思うけど、それぞれで語られるのは全てが嘘のない真実で、生い立ちや状況の不幸さから全てが悪い方向に向かってしまう。

問題は、嫁の視点の最終章が「女性の辛さ」みたいのを描き過ぎてて、マット・デイモンの生い立ちの不幸からくる性格の歪みやアダム・ドライバーの放蕩生活とマット・デイモンに対する想いみたいのが、後半では忘れられてしまうこと。
フェミ時代、ポリコレ時代の今ではその方がウケるんだけど、男としては複雑な気持ちもある。
単純に前半の2人の視点が薄れる構成は物語として問題だと思う。語る順番を変えた方が良かったんじゃ。

いずれにせよ凄く面白いから観て損はなし。
アダム・ドライバーの演技がすごくいい。
原作が読みたくなった。
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