役立たずのロクデナシは酒に溺れて苦しみを紛らわす、セーヌ川の水がワインに変わればいいと…。
しかしロクデナシの描く絵空事は儚い夢だとしても、其の姿は虚しくも美しい人間のロマンチシズム。
全てのシーンが優れた構図で背景と人物のバランスが絶妙に美しく輝き照明と撮影の技術に感心してしまう、4Kデジタル・リマスターで蘇る建物の外壁の溝や舗装された道路の染みなど芸術的石造が映画を彩る。
其れは〝ルネ・クレール〟がキャンバスに描く白と黒はリアリズムの極み、見方によっては灰色の氷の世界の様な固く冷たい厳しさが映像に溢れている。
人は夢を見るから絶望する、絶望したくないから夢を捨てても
南仏へ青空を見に行く、好きな娘と..★,